近くの公民館で時々下手な囲碁をうっています。「ごくらくクラブ」という囲碁にひっかけた名前の碁会にはいっています。囲碁は一手一手互いに打ちます。なんでもないこのルールにも関わらず、ある局面になるとあまりに没頭してしまい、ついこの単純な決まり忘れることがあります。囲碁は交互に打つのです。こんな公平なことはありません。相手が10個の石をとれば、こちらも10個の石をとるというゲームです。ですが、相手の石を取ろうとしたり、相手はねじ伏せようとするのです。やみくもにつっかかってくるのです。このような打ち手は本当はあまり強い人ではありません。じっくり力をためてから相手の石に襲うのが大事なのです。それを忘れて強引につっかけると逆に石を取られてしまい負けるのです。風林火山の武田信玄のように動かないことが囲碁を楽しむことの要素です。なぜかといいますと、あわてふためく必要がないから動かなくていいのです。相手が動いたときこちらも動けばよいのです。そしてためていた力で反発していくのです。強い人はこのためができているので、腰が伸びずじわじわとボディブローのように攻めることができるのです。囲碁では弱い石をつくるのは禁物です。あとでその石の弱さをつかれるからです。碁盤の上でしっかり打つというのは、弱い石を作らないことなのです。地道に打っていきますと、時がくれば碁盤の全体が躍動するようになり、相手はその強さに苦しむのです。はじめからあまり小さいことにこだわらず、じっと我慢して力をためておきます。相手が地を囲うとするとき、囲わせまいとしてあわてて相手の囲いの中に入って行く人がいます。後方からの支援がない落下傘部隊のようです。結局孤立して逆石をとられるのです。囲碁において強い人のことを上手、弱い人のことを下手といいます。上手と下手の違いは碁盤全体を見る力だ、といわれます。部分にとらわれず全体を見渡して着手を判断するのです。なにが今大事か、どこが急所かなどを見極める力です。 続きを読む