小さい頃、ノミ、シラミ、ナンキンムシがたくさんいて、皮膚の炎症で困ったものです。ノミやシラミを両親指の爪でつぶすと、プチッ、、という音がしました、このときどうしたかといいますと、当時いた進駐軍がDDTという白い薬を持ち込んできて、駅などで手押しの噴霧器で薬を散布するのです。顔が白粉(おしろい)だらけとなりました。家の畳にも噴霧したものです。今どきノミやシラミを見たことのある高校生はいないでしょうが、、。このように、DDTのお陰でかゆい皮膚病からは解放されました。外国ではマラリヤもそうです。DDTという薬は人々に福音をもたらしたのですが、その目的を果たすやいなや、今度は人を害するものになります。やがてDDTが広く薬害の元凶となります。人間は大事なことを忘れていたのです。それは自然は多種多様な生物が存在することで、安定した体系を維持しているということです。薬によって生物のなにか一種を撲滅するととりもなおさず、他へ影響する連鎖反応がおきます。それによって相互依存のバランスを崩すということになります。殺虫とか殺菌の効能をもつ化学薬品の開発が進みました。私たちの生活は多くの薬に依存しています。それによって製薬会社や販売会社は大きな利潤を得ています。営利主義だと非難されることもあるくらいです。日本で環境問題ということばは1956年頃から広まります。この用語の由来は牧畜や農耕という生産の手段を手にしたことから始まるといわれます。家畜や作物を育てるため土地を独り占めします。そのために、棲息していた多くの生き物が害獣、害虫、害鳥として駆除され、結果として自然のバランスが崩れていきます。これが環境問題の原因とされています。それに関連してですが、エコというのはEcologyという英語の単語からきています。生物と住環境の関係に関する学問のことです。そこから生態系、Ecosystemということばが生まれました。。「沈黙の春」という本が1962年にアメリカで発行されます。作者はレイチェル・カーソンです。この本はSilent Spring,「ものみな萌えいずる春」と訳されて世界中に波紋を広げます。Ecosystemが重大な危機に瀕していることを実証的に紹介したからです。 続きを読む