体験というのは大切なものをもたらしてくれます。「体験から学ぶ」、「体験を生かす」、「体験を忘れない」、そして体験学習ということばもあります。体験というのは「なにかをする」ということとされています。体験と似たことばに経験があります。どう違うかです。「体験をすることが重要だ!」ということをよくいわれますが、これには前提があります。それは「なにかを為すことによって学ぶ」という体験を超えて、その為せる業を反省的に振り返ることによって初めて学ぶということが起こることです。「体験することから、起こったこととの関連を見いだす」ということなんです。これが経験だ、というのです。少しややこしいですが、、、ある湖で漁師が師匠に尋ねます。「先生、わたしたちは、夜通し網を入れましたが、なにもとれませんでした。しかし、もう一度やってみなさいというお言葉ですから、網を降ろしてみましょう」と答えました。半信半疑で漁師たちがそのとおりにすると、おびただしい魚がかかり、網が破れそうになったという話です。夜通し働いてなんの収穫もなかった漁師たちは、むなしい思いと疑いの心で師匠の言葉に従ってみました。そのような時に体験にとらわれずに、もう一度やってみるという気概が必要だ、ということです。体験による失敗から、成功への経験に結びつける努力が大事なのです。 続きを読む