心の支えとなることば その21 「After all, tomorrow is another day.」
マーガレットミッチエルの作品に「風と共に去りぬ」(Gone with the Wind)という長編小説があります。映画にもなり不朽の名作といわれています。南北戦争下のジョージア州アトランタを背景に、気丈夫な女、スカーレット・オハラの半生を描いた作品です。その音楽「タラのテーマ」も格調の高さで知られています。
この映画の終わり頃に、「After all, tomorrow is another day.(結局、明日は別の日がやってくる)」という台詞があります。スカーレットがなにもかも失い、夫レットに別れを告げる場面です。この台詞は「明日は明日の風が吹く」とか「明日はなるようになる」と訳されました。しかし、スカーレットの気性の激しさから察すると「明日という日がある」と訳すほうがピタリです。
「明日はなるようになる」というフレーズで思い出すのは、ビートルズの曲「Let It Be」です。あまり逆らわず、成り行きにまかせるのがよい、という感じがしないでもありません。しかし、このフレーズには、何もせず何かが起こることをただ待つということだけではない響きもあるのです。「人事を尽くして天命を待つ」、「今日という日の再び来たらざるを思え」。これがLet It Beのもう一つのメッセージです。