2部は、場所をレストランへ移し、料理講習会。風戸氏の「魚のおろし方/酢飯の作り方とすしの握り方」、小池氏の「だしの取り方、だしを使った料理の作り方」、アタラ氏の「日本食材を使ったブラジル料理の作り方」を見ることができました。
3部は会議室に戻っての試食会。14時から18時半までの盛りだくさんなものでした。せっかくなので、講習会のハイライトをご紹介しますね。
明るく美人な司会のメイリ・カミアさん。
まず、風戸氏の基調講演ですが、テーマは「衛生」。講師の風戸氏は、 海外に「SUSHI」、「SASHIMI」といった生食が広がる中で、生食への正しい知識や技術がない人が見よう見まねですしを調理、提供すると、食中毒などを起こしかねない(延いては、すしが敬遠されることになりかねない)ことを危ぶみ、これまでに世界40カ国以上を廻って啓蒙活動を行っている方です。
酢〆、ヅケ、湯引き、血抜き、炙り、洗いなど、味はもちろん衛生面も考慮された調理法や、空気に触れる面を少なくし、ネタの酸化を遅くする片刃包丁の技術などが紹介されました。会場が沸いたのは、スルメイカやサーモンに潜むアニサキスの画像(⇒取り除けないとすし職人になってはいけない)や、調理用手袋と石けんで洗った手に残るバクテリアの比較画像(調理用手袋には、あっという間にバクテリアが繁殖)。衛生面への配慮が大切なのは、よく伝わったように思います。
続く小池氏の講演は「うまみ」について。うま味インフォメーションセンターのサイトにプレゼンテーションがあります。
そして井村屋さんは、米、豆、砂糖で作る(油を使わない)ヘルシーな和菓子を紹介。1つ1つのお菓子にストーリーがある、幸せを願うおもてなしの心があることを伝えました。
ここでアレックスシェフ登場。京都を訪れた体験に基づいて、日本食には、「シンプルに見える一皿の背後に、すごい複雑さ(ストイックな修行とか季節感や背景を鑑みた材料選びや切り方)が秘められていること」また「すごい複雑さを極めるとシンプルな形に落ち着く」 ことを感じると話していました。
その後、セナキのエイジ・トミマツ先生がプレゼン。和食が世界無形文化遺産になったことを受け、ブラジルにはまだない食にまつわる遺産候補になるものを見つけたい、と話していました。例えば、バイアーナのアカラジェ、レシフェのボロ・デ・ホロ(Bolo de Rolo)とか、ゴヤバーダとか・・・
元生徒のヘナン・ブラッソラッティさんは、日本旅行の体験を紹介。ブラジルは、日本の馬肉の最大の輸入先 だったって知らなかった!と言っていましたが、参加者もショックそうでした(多分、馬肉を食べるなんてひどいという感じで)。(ちなみにざっとサイトを見た感じでは、ブラジルからの馬肉は、人の食用ではない(飼料用)みたいです)
でも、日本で簡単な食事から料亭の食事までいろいろ味わったという体験は、相当なものだと思います。これがやっぱり一番、世界の人々に和食の魅力を感じてもらえる気がします。
(続く)