空気が澄み、よく晴れた先週の火曜日、いつも教室で問題と格闘している数学クラスが珍しく、外に飛びだして、フィールドトリップへ出かけました。
行き先は、「東京理科大」(飯田橋)の「近代科学資料館」内にある「数学体験館」(https://oae.tus.ac.jp/rcmse/taikenkan )です。
東京インターハイスクールがある渋谷から、理科大がある飯田橋までは乗り換えを含めて30分弱。そう広くはない館内をさあ自由に見て回ろうとしたその時、声をかけてくださったのは、体験館館長である「秋山仁」先生でした。TVで見たことのある有名な先生の突然の登場に生徒たちはびっくり!思わぬ展開に引率者のわれわれもびっくりしながら、館長自ら案内して下さるというお言葉に甘え、直々に展示の解説を頂くことになりました。
ダヴィンチで有名な「最後の晩餐」が遠近法を使ってどう描かれているか、タイヤはどう回転してどのような軌道を描くか、図形はどのように出来ているのか、確率からデータを探し当てる方法など、我々の日常生活で見られる現象が数学とどう結び付いているか、秋山先生はそのからくりをひとつづつ、面白く説明してくださいました。
案内の最後に秋山氏がおっしゃったのは「数学は問題を解いて点数を上げるためのものではなく、人々の社会と未来のために役に立てるためのものであってほしい」という言葉でした。
毎週火曜の数学クラスではまさに、進学に必要な試験の点数を上げるために、テクニックを学ぶために学習する生徒がほとんどです。それは現在の彼らにとってやはり必要なことである一方で、「数学にはもっともっと広い裾野が広がっているんだよ」という秋山先生の、数学体験館の大きなメッセージは生徒たちの心にどう響いたでしょうか。
秋山館長だけでなく、この数学体験館ではガイドをしてくださるスタッフの方々の数学に対する楽しそうな姿勢が印象的でした。また是非、生徒を連れて訪れたいと思いました。