ここ数ヶ月で悪い猫がどんどん痩せてきた。彼も既に15歳、老化の始まりかもしれないなと思っていたが、帰宅時の出迎えや、ベースメントにある私の勉強部屋に来ることがなくなり、何より外に出なくなった。
悪い猫は外に行くのが大好きだった。春から夏にかけて庭で作業をしていると彼もついてきた。数年前までは裏手にある公園のベンチで公園に来る人に愛想をふりまき、私とウサオが公園を散歩して戻ると庭で待っていてくれた。
その悪い猫が一時期食欲がなくなった。元々食べ物の好みがうるさいので、これまでのフードに飽きたのかもとウサオは種類を変えてみた。少しの間は食べてもすぐに食べなくなるのでまた種類を変えた。これが何回も続きやがて悪い猫の食欲は戻りむしろ旺盛になった。だが食べているのにも関わらず痩せるばかりで、背中を触ると骨にあたってごつごつ感じるようになった。
単なる老化じゃなさそうだとウサオは悪い猫を獣医に連れて行き検査を受けさせた。そして悪い猫の内臓、特に膵臓と肝臓の状態が悪くなっていることがわかった。獣医によるとおそらく痛みもあるだろうとのことだ。
ウサオは獣医と悪い猫の今後と、どこまで治療にお金をかけるか話し合った。以前のブログにも書いたが、こちらでは治療しても治る見込みがなく、治療が動物にとって負担をかけるだけと思われる場合はQOLを考えて安楽死を選択することが多い。(もちろん最後まで看取る人も多いが)また高額な治療費は飼い主への負担も大きいので(ちなみに今回の検査に500ドル近くかかった)予め意識のすり合わせをしたようだ。
私たちは、「悪い猫が治療に耐えられて、それが彼にとって苦痛でない限りできるだけのことをしよう」と決めた。でも
「カオル、いつかその選択(安楽死)をしなければいけない日が来ることは覚悟しておいて」
とウサオに言われて涙が出てきた。今回を乗り越えても悪い猫はもう長くはないらしい。
その日が来るのが少しでも遅くなるように祈るばかりだ。
(よろしければクリックお願いします)