そんな頃、ディジョン日本語補習校にいる日本人ママのお父様の知り合いからの紹介で、NHKラジオの“地球ラジオ”という番組の“ぼくたちわたしたち元気だよ”というコーナーで補習校の子供達数名が作文を読むことになった。
地球ラジオというのは、世界中に住んでいる日本人が自分達の生活を紹介する番組。
そして、その中に世界中の補習校や日本人学校の生徒たちが自分たちの生活を書いた作文を読むコーナー“ボクたち私達元気だよ”がある。
ディジョン日本語補習校としては、年齡が上の生徒から順番に出すことにしたので、みみも出ることになった。
日本のラジオに出るのに、どうやって録音するのかと思ったら早速私のところにもNHKの方からメールが来て、
“今度、そちらに電話を致しますので、その時にその受話器に向かって作文を読んでください。それをラジオに流します。”
とのこと。
へえー。そういうやり方なのだ。
そして、ある日、電話がかかってきて、みみはあらかじめ作っておいた作文を緊張した面持ちで受話器に向かって読み始めた。
“私は、お父さんの仕事の関係でフランスの東にあるブザンソンという街に住んでいますDoubs川が街を囲む美しい街で、2年に1回国際指揮者コンクールが行われます。
スイスの近くにあり、パリからはとても遠いです。
私はフランスの学校で色々なことを勉強しています。
週に2回、コンセルバトワールで歌と楽譜の読み方の勉強をしています。
日本語の勉強もしなければいけないので、フランスの学校が休みの毎週水曜日にお母さんと一緒に電車に乗ってディジョン日本語補習校に通っています。
ディジョンはマスタードで有名な街です。
マスタードの専門店があって、ピンクや黄緑のものやワインの味のマスタードが売られています。
日本語補習校には小学生が9人、幼稚園児が5人います。
私は、補習校で漢字と九九を頑張っています。”(原文そのまま)
1回目が終るとNHKの方は
「もっと大きな声で、もう一度お願いします。」
とおっしゃって、計2回の録音をした。
それからはもちろん、日本のおじいちゃんおばあちゃんを始め、友人にもお知らせして、当日の放送を聴いてもらった。
後日、NHKから送られてきた記念品がパパの会社の商品でちょっと笑ってしまったけれど、ちゃんと番組名が刻まれていて良い記念になった。