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(66) 小澤征爾さんとの出会い その後

(つづき)

少し前「ちょっと体調が悪いから、仕事をしばらく休んでのんびりするわ。これから一緒にカフェに行ったり、ショッピングに行ったりしましょう。」と言ってくれた私の英語の先生イザベルは、本当に毎週必ず会ってくれるようになった。時にはDijonなどの遠出もするようになった。


ルセットさんは、息子が東京に住んでいることもあって、親日家でとてもとても親切。


チーズ屋さんのオロールさんは、私がチョコレートが好きだと言ったら、美味しいチョコレート屋さんの住所を電話で教えてくれる。


そんなある日、イザベルはカフェの中で言った。


「そうそう!この前ね、seiji OZAWAがテレビに出ていたわよ。ブザンソンのコンサートの翌日、彼はDoubs川で釣りをしていたんだって!」



ああ・・・そうだ。



小澤征爾さんは、著書”僕の音楽武者修行”の中でも書いていた。趣味は・・・”スキーと、釣り”だって。



みみはといえば、勉強の中では暗唱と書き取りがスキなよう。

フランスの宿題はやたら暗唱が多いのだけれど、それがとても楽しそうで。歌の歌詞を覚えるのもスキで、ある日、覚えた歌を友達に教えていた。


友達が熱心にみみから教わっていたその歌は、なんとマルセイエーズ!!(フランス国歌)笑ってしまった!


みみの担任の先生は、みんなと同じようにフランス語を話せないみみをよく見てくれたのだと思う。きっと励まされ、みみも頑張ったのだと思う。


・・・そして、みみはとうとう取った!”フランス語のテストでクラスで一番を!!

先生は「どうして、このクラスでフランス語が一番なのが日本人なのですか!!」と嘆いたそう。


そして、みみをいっぱい褒めてくれたそう。


みみを学校に送り、帰り道にDoubs川に架かる橋を渡りながら、


”ここはヨーロッパの音楽の街、小澤征爾さんの思い出の地”


・・・と私は感じた。

前に、大粒の涙を流しながら渡った橋だ。


その橋の真ん中で立ち止まり、ついこの前ここで釣りをした日本の・・世界の指揮者を想った。


そして、次の瞬間、私は気が付いた。それは、Doubs川の周りの木々が燃えさかる程の黄金に染まった、それはそれは美しいヨーロッパの景色だった。


そして、ハッとした。私は、この街で秋を迎えるのが3回目なのだ。

それなのに、一度もこんなに美しい景色に気がついたことが無かった。


私はきっと・・・いつも下を向いて歩いていたのだ。

辛くて辛くて、日本に帰りたくて・・・。



だけど。。。この景色に気が付いた私は、、これからはきっと大丈夫だと思えた。

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ブログ紹介

ロンドンとフランスの小さな街で子連れ駐在生活

http://ameblo.jp/londonbesancon/

駐在家族の多いロンドンからフランスのブザンソンに引越し。街で唯一の日本人(日日)家族になってしまった!閉鎖的な街に馴染んでいくまでの努力?日記。

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