最近の私は すごく忙しかった。
というのも アメリカに来て 初めてのガレージセールをするために 家じゅうをあさって
不用品を整理していたのだ。 我が家はアメリカの住宅にしては狭い方だけど それでも収納は
日本の１００倍ある。 なので ついつい クローゼットの奥に不用品が あら不思議。
自分でも 知らぬ間に溜まってしまうというわけ。
駐在家族は特に 最後はモノを減らして帰らないといけないから 滞在中に何度かセールをして
常に 身辺の整理をするようにしている家庭が 多いのです。
さて、このガレージセール、家庭の不用品を安い値段で売るセールのことですが、
今のアメリカＮＹ地方では tag sale（タグセール、tag=値札）を呼ぶのが一般的なようです。
家の前庭に いろいろ商品を広げて売る時は yard sale （ヤードセール）ともいいます。
日本語では フリマっていうのかな？
日本では どこかの会場でブースを借りて出店するけど、アメリカでは 自分の家でやります。
しかし このタグセール、まず準備が大変！！
第一、 不用品の選別が大変だし、それを カテゴリーでまとめたり お店のように陳列したりして
家の中で 店を開業しないといけない。 そのために 普段使っている家庭用品は スペースを確保
するために どこかに動かします。 売り物と間違われないように 隠しておく意味もあります。
我が家の場合は １階と２階があるので タグセールの会場は１階だけにして、
２階から机を下ろしてきたり、１階にある生活雑貨を隠したりと まず 会場づくりに四苦八苦しました。
ヤードセールのように 前庭を使えたら便利だけど 雨の日は中止になるし 広い前庭がないと
成立しないから 我が家は無理。
家の中で やりくりして セールの会場を 作るしかなかったのです。
そして 何よりも 一番 大変だったのが 値段付け！！
下は１０セント単位のものから 上は１００ドルぐらいのものまであるんだけど
いったい 幾らが適正価格かは 神のみぞ知る？？
友人を呼んで いろんな人に意見を聞いて決めたけど それでも 最後は 膨大なアイテムの数で
値段付けに疲れてしまい かなりいい加減にやってしまいました。 そしたら 値段を聞いたお客さんに
「そんな値段でいいのか？」 と逆に驚かれたことも多々あり、 もうちょっと考えたらよかったと後悔。
でも 破格の安値だからこそ売れたとも言えるし、欲を出してもっと高い値段をつけていたら売れ
なかったかもしれない。 だから 値つけは 難しい。
そして 今回 ガレージセールをして分かった事は
人の価値観は ほんとうに様々 って事！
特に ここはＮＹ。
お客さんも アメリカ人だけでなく 外国からの白人、中国人、そして ガレージセール巡りを
週末恒例の 行事にしていると思われる南米人など いろいろです。
その目的も 生活用品を揃えたいと言う切羽詰まった人もいれば おもしろいものを探しに来ている
という人もいて 様々なので 見ている商品も全然違うわけです。
南米の人は 子どもの履き古した靴でも 喜んで買っていったし おもちゃや洋服は 自分の子どもが
使わなければ 祖国の親戚に送るんだと言って 大量に買って行きました。
中国の人は 自分や夫の洋服を探している、特に男性用のスーツはないのか？と しつこく聞かれ
ました。 我が家は 洋服はすぐに捨てます。 それは着古した服など誰もいらないと思っていたから
だったのですが、 一方では 洋服を血眼で捜している人もいるんですね。
そして 今回 こんなものは 売れないし 売るべきでもないと日本人の間で言われていたものが
飛ぶように売れました。
それは・・・・？
寝具。
肌に掛けるものや 寝具は どんなに新しくても 中古品を売ったり買ったりなんて 信じられない
と言う人は いるでしょう。
実際 わたしの日本人の友達は 「寝具なんて売る？」と すごく批判的でした。
私も やっぱり こんなものを売るのは失礼かな・・・と思ったけど 状態も悪くなかったし
羽毛布団などもあり 捨てるには もったいない。 それに ゲスト用で 自分たちは使っていなかった
から キレイでした。
なので 思い切って 安い値段で出したところ これが 飛ぶように売れたんです！
枕、シーツ、掛け布団、敷布団。
あまり使っていない もしくは 新品のタオルも 奪い合うように買っていかれていました。
シーツや寝具は そもそも けっこう高いですし あまりセールになりません。
しかし アメリカでは 自宅によく友人や親類が泊まりにくる文化があるので 客用寝具として使える
安くて 状態の良い シーツや布団は 誰もが 探しているんですね。
たくさんの人が 喜んで 寝具を買って行ってくれました。
まさに 大当たり！
ちょっと汚れた枕でも 「カバーかけるから関係ないし」と喜んで買って行かれた方もいて
我ながら 驚きました。
それに シーツなどは アンティークシーツを探している人もいるぐらいですから 少々他人が
使っていても 大きな汚れがなければ 全然問題ないんですね。すごく安いか 柄がキレイであれば
いくらでも 買い手がつくようです。
その一方で タグセールで高級品を安く仕入れて商売しようと思っている人もいるようで、
いきなり 「ダイヤモンド」 とかはないのか と言われ 仰天。
そんなもの 持っていません！ （婚約指輪を除く）
だいたい 普通の家庭で そんな高級雑貨を買い付けている人もいるんだという事実に 驚きました。
高齢で亡くなった人の家では 宝飾品の一掃セールをやっていることもあるようですので
そういうのを 当てにしていたのかもしれません。
わたしは 日本でも 一時期 フリーマーケットを趣味にしていた事がありましたが
そこでも 人の価値観は様々でした。
一番驚いたのは 一緒に出店していた友人が 旦那の靴を持ってきたことです。
お世辞にも おしゃれとか かっこいいといえない彼女の旦那（失礼。）
そのご主人が履き古した靴とは、 田んぼに靴を落として それをダンプカーで２，３回轢いたような
代物でした。 あまりの状態の悪さに 「よくこんなものを売ろうと思うな～」 と心の中でつぶやいた
私でしたが それが どっこい！
開店早々、年配の男性が 「おぉ！ 靴だ！」と 喜んで試着し、サイズもピッタリだったようで
なんと ５００円で 喜んで買って行かれたのです！！
こんなに驚いたことは 後にも先にもなかったかもしれません・・。
そのほかにも 昔 友人のご主人が彼女に編んでもらった 手編みの（つたない）セーターも
売れました。 （売る方も売る方？）
これも 私の人生のおどろきベスト１０にランクインしています。
ほんとうに 人の価値観なんて わかりませんね。
売れそうなものが 売れの残り、
これは買う人なんていないだろうと思ったものが 買われていく・・・・。
ほんとうに 人の心は読めません！（夫の心も読めませんけど）
たかがタグセールで そこまで思うかって話ですが、
経済の先行きを占ったり ヒット商品を考えたり 時代の先行きを考えるなんて
こんな難しいことはないのかもしれないと思った タグセールでした。
そんな結論にたどり着くワタシが変？
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