• 海外赴任時の車の売却はJCM

お気に入り一覧 お気に入り登録 お気に入り解除

芸能人虐待報道の問題点(4)

 
 
あまりに重い話題に 自分でも 続編を書くことにくじけそうになった木曜日。
 
また 11歳の女の子が 母親にゴルフクラブで殴られて
 
亡くなりました。 頭蓋骨を複数個所 骨折し 腕にも 殴られた後が
 
たくさん残っていたそうです。
 
例のごとく 母親は 娘がいう事をきかないので しつけで殴ったと言っています。
 
ゴルフクラブで子供を殴って 何をしつけようとしていたのでしょう。
 
怪我しないとでも 思ったのでしょうか。
 
一発殴られれば 子どもは 素直に言う事をきくようになるとでも?
 
 
 
 
 
 
暴力によるコミュニケーションが頻繁に行われている親子の場合、
 
子どもが中高生ぐらいになると 子供の方が逃げ出したり
 
親の方も 仕返し?や抵抗を恐れて  やり方を変えてきます。
 
殴ったり 蹴ったりではなく 言葉で罵ったり 無視したり 放任するのです。
 
だって このまま 殴り続けていたのでは 子どもも体力がついてきているし
 
この事件のように 殺るか 殺られるか、になってしまいます。
 
多くの親は 時々 怒りにまかせて暴れつつも、
 
「もう あんな子は 何を言っても 仕方がない」と あきらめます。
 
こうして 子供たちは 夜の町へと 繰り出して行きます。
 
同じような境遇の子たちと集まって フラフラしたり
 
反社会的な 行動を するようになります。
 
 
 
私が 取材活動の中で 出会った子も そんな風に
 
家でも 学校でも 社会でも 居場所を見つけられずに
 
ただ 何となく 吹き溜まりに 集まっているような子たちでした。
 
 
家では 親が喧嘩ばかりとか 離婚して生活が苦しかったり
 
親が再婚していても 義理の親にいじめらていたりしましたが 
 
家庭のあたたかさに恵まれていない点では 共通していました。
 
高校には進学しましたが 勉強する気はなく 
 
そもそも はるか以前から
 
授業の内容には ついていけていないため 学校が退屈でした。
 
かろうじて 友達に会うために 学校に通っていたのが 
 
友達が何らかの事情でやめると 自分もやめたり
 
何となく 学校に行く意味がわからなくなって 朝 起きられないまま
 
他にやることもないのに 中退したり。
 
女の子は ぶらぶらしているうちに 妊娠して 学校を続けられなくなる子も
 
たくさんいました。
 
 
 
そんな子たちの中で 仲良くなったAくんは 当時17歳。
 
高校をやめて やはり フラフラしていました。
 
「先輩」とよぶ連中の 怪しい仕事を手伝ったり
 
手当たり次第に 女の子と寝たりしていましたが 
 
言葉遣いだけは 妙に 丁寧な子でした。
 
 
 
Aくんの両親も 不仲で 父親は 家族に頻繁に暴力を振るっていました。
 
ある日 Aくんは 父親に 夜遊びが過ぎると叱られ
 
殴る蹴るの暴行を受けました。
 
いつも 父親の暴行は激しいものでしたが
 
この日は Aくんも黙っていませんでした。
 
あんまり腹が立ったので 父親を殴り返したそうです。
 
これまでの 恨みでしょうか?
 
父親と互角に殴りあった後は Aくんは 椅子を振り上げ
 
父親の頭をめがけて たたきつけたそうです。
 
さすがの父親も 血まみれになり うずくまっていたとか。
 
その場に母親もいたそうですが 
 
ただただ 黙って見ていたのち、おもむろに電話を手に取り
 
救急車を呼んだそうです。
 
その時以来 Aくんは 家に帰らず 友達の家を泊まり歩いていました。
 
「これから どうするの?」と聞くと
 
「わかりません」
 
「お父さんを殴って どうしようと思ったの」
 
「わかりません」
 
 
Aくんは 饒舌で 深夜のファミレスで 次から次へと
 
自分の身の上に起こったことを話してくれましたが
 
肝心の自分の感情を聞かれると 「わかりません」を 繰り返します。
 
まだまだ 結婚する気はないし 家庭を持つことの意味もわかっていなかったと
 
思いますが 同じようにふらついている女の子に
 
「入籍してやる」と 声をかけては
 
相手をとっかえひっかえして こずかいを貰うような生活をしていました。
 
お父さんと戦った結果 自分の予想以上に父親が怪我したことや
 
お母さんが 自分に対し何も言わなかったと話してくれた時
 
彼が とてもさみしそうに見えたこと、
 
白いシャツの襟が すごく汚れていたことが 印象に残っています。
 
 
 
 
 
 
 
同じグループにいた B子ちゃんは ちょっとぽっちゃりしていて
 
ブランドものの長財布を持ち歩いているものの 
 
顔はノーメイク、服装もGパンにTシャツと いたって見た目は普通でした。
 
B子ちゃんが幼いころ 母親は離婚し 中学に上がった頃 新しいお父さんが
 
できたのですが その男が お母さんやB子ちゃんを ひどく殴りました。
 
いろんな事がいやになり 仕事がしたくて 高校を1年で中退しましたが
 
コンビニのバイトは あまりおもしろくない上に 給料もよくありません。
 
そのうち 付き合っている男の子に進められて 出会い系サイトで
 
ウリをするようになりました。
 
ちょっと嫌だと思いましたが 携帯サイトに載せると
 
面白いほどに客がつき まるで 自分が 
 
大事にされているように感じたといいます。
 
コンビニで一生懸命働いても なかなかもらえないような金額が
 
あっという間に稼げるのも魅力でした。
 
しかも そのお金を 彼氏にあげると とても喜ぶのです。
 
いつのまにか B子ちゃんは 体を売る生活がメインになっていました。
 
彼は B子ちゃんのことが大好きだから
 
いずれは結婚したいと言っているそうです。
 
B子ちゃんも 言っていました。
 
もう十分遊んだし そろそろ 落ち着きたい。
 
彼と結婚して 子供を産んで 幸せになりたいと。
 
当時 17歳。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
そんな彼女から ある日 助けてほしいと連絡が入りました。
 
妊娠したと言うのです。
 
彼の子だと言うけど 彼は日ごろの言葉とは打って変わって
 
結婚する気はないと言います。
 
俺の子かどうかも わからない。と。
 
 
とにかく お医者さんに診てもらう必要がありました。
 
 
 
一緒に病院に行くと B子ちゃんは やはり妊娠していました。
 
しかも 中絶手術ができる 法定期限のギリギリでした。
 
「どうするの?」
 
彼女もわかっているけれど 決めなければいけません。
 
そして 未成年ですから 親にも言わなくてはなりません。
 
 
 
 
もちろん 母親は怒り狂いました。
 
あんたのせいで 私の人生までめちゃくちゃになる。
 
自分で勝手に始末しろ。
 
どうして トラブルばかり起こすのか。
 
なぜか わたしまで 「何かあったら アンタに裁判をおこす」とののしられました。
 
B子ちゃんは 母親の剣幕に 静かに泣いているばかりでした。
 
母親の気持ちもわからなくもないですが
 
まだ17歳の女の子です。
 
この状況を 一人で どうするのか・・・・
 
困っている彼女を助けられるのは 赤の他人の私ぐらいしかいませんでした。
 
 
 
 
 
 
近所の病院は嫌だという彼女の希望で 
 
知り合いの医者を紹介しましたが
 
彼女は これで 中絶は3回目でした。
 
今度こそ 産みたいと思っていたのに・・・ と 彼女は涙しますが
 
今の状態の彼女には 子供を産むことも育てることもできないのは
 
彼女自身がよく分かっていました。
 
 
 
 
当日 彼女の手術には 彼女の希望で私が立ち会いました。
 
麻酔で眠りに落ちる直前まで 彼女は 私の手を 握りつぶすようにつかみ
 
その瞳は 恐怖の色で染まっていました。
 
すごく怖がっていたし たった2年の間に3回も手術を受けたことに
 
彼女自身 とても 落ち込み もう人生が嫌になったと嘆いていましたが
 
麻酔から覚めた時の 彼女は 心底 ほっとしたような表情をしていたのが
 
忘れられません。
 
 
 
 
 
 
最初の記事でとりあげた 大沢・喜多嶋元夫妻の長男も 
 
高校進学を父親に反対され、アルバイトは続かず 
 
将来は 俳優になりたいという夢を持ちながらも
 
現在は どこにも自分の居場所が見つけられない状態です。
 
 
ちくま新書に「ドキュメント 高校中退」という本があります。
 
いろんな事情で 社会からドロップアウトしていく若者の事情と、
 
高校中退、貧困が 世代間で連鎖していることを報告したものです。
 
家庭の事情までは詳しく紹介されていませんが
 
中には 虐待を中途半端に生き延びしてしまった子供たちが
 
少なくないのではないでしょうか。
 
中学生以上なると 施設が保護してどうにかなるケースは少なく
 
家出や非行という形で 社会の底辺に 積み重なっていく子どもたちが多いのが
 
気になります。
 
 
この虐待報道を取り上げたのも 幼児の虐待事件だけでなく
 
ティーンの場合の背景の複雑さに 光を当ててみたかったというのがあります。
 
この年齢の子供たちになると 当事者間の問題だけではなく
 
社会的な影響も出てくるということです。
 
 
 
 
長男君も 今ならまだ 親が本気で向き合い
 
親子関係を築き直すことで 彼の将来にも光がさすように思います。
 
もしくは 誰か 親しい人が 彼の事情を理解し
 
長男君や 母親、父親にも 助けの手を差し伸べてくれるといいのですが・・・。
 
今回のことで 彼が一層、見捨てられ 自暴自棄になって
 
反社会的な集団に加わることがないように 願っています。
 
 
 
 
 
 
今回は 10代前半で 居場所をなくし
 
夢中になれるものが 何もない
 
行くところがないという子が 数多くいる、
 
この事実を 多くの人に知ってもらいたいと 
 
駐在の生活とは あまり関係のない話題ではありましたが
 
長々と記事にしました。
 
 
 
 
読んでくださって ありがとうございました。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

続きを読む

ブログ紹介

ニューヨーク駐在生活ありのまま

http://blogs.yahoo.co.jp/sabenukey

主婦ジャーナリストがホンネで綴るNY郊外の駐在生活。爆笑記事から泣ける記事まで アメリカと日本の「今」が分かります。

このブログの最新記事

これで漏れ無し!海外赴任前の準備方法

チャートとチェックリストを使って、
海外赴任前の準備項目を確認しながら情報を収集して準備に備えましょう!

海外赴任準備チェックリストを確認する

書籍版のご案内

海外赴任ガイド 到着から帰国まで

書籍版「海外赴任ガイド」は各種ノウハウや一目で分かりやすい「海外赴任準備チャート」などをコンパクトな一冊にまとめております。海外赴任への不安解消に繋がる道しるべとしてご活用ください。

書籍版の詳細

プログライターの方

海外赴任ブログを登録する

あなたのブログを登録してみましょう!

プログライターの方

海外赴任ガイドのSNS

Twitter アカウントをみる

たいせつにしますプライバシー 10520045