ブザンソンは国際指揮者コンクールが行われる音楽の街。
みみの学校でも音楽に力を入れていた。
ある日・・・
”来年度から”希望した生徒の中で面接に受かった者は”コンセルバトワール(音楽学校)で授業を受けることができます。”
”何が貼ってあるのだろう・・・”
そう思って近づいていくと、クラスの子供1人1人の自己紹介カードだということが分かった。
向かって左から見てみると、まずはトマくん。
クラスで一番小さいキュートな男の子だ。
ニコっと笑った写真も貼ってある。
”僕の好きな勉強は算数です。好きな食べ物はプリンで友達はアルフォンスとみみです。”
「え?!みみって書いてある!!」
ちょっと感動・・・!
そして次のカード、次のカード、、次々と見ていった私・・・。
私は驚いた
。クラスメイトのほとんど全員、、好きな友達を3,4人しか書いていないのに、ほとんどのカードの中に”みみ”の名前があったから・・・。
”え・・・ええ・・・?!”
”ああ・・・私、みみが誕生日にいっぱい招待されるのは、、私のスピーチの成果かとうぬぼれていた・・。違うのだ、みみは本当に人気者になったのだ・・・。”
私は廊下でひとり感動した。
そして、みんなにも感謝した・・・。
”みんな、ありがとう・・・”
そして、1時間の面接を終えたみみにその後、合格の知らせが来た。
他の生徒たちが授業を受けている間に週に2回ほどコンセルバトワールで1時間ずつ音楽の指導を受けるということ。
・・・しかし、学校の成績が下がるようなことがあれば、ただちに辞めさせると書いてあった。
みみは
「やってみた~い!」と言う。
フランスの学校がお休みの水曜日に日本語補習校に行っているために他の習い事を何もやっていないみみにやらせてあげたい気がして面接を頼むことにした
(ブザンソンは習い事というのは水曜日に集中しているから、やりたかったバレエなんかもできなかった)。
面接会場はみみの小学校。
私はみみを連れて行き、みみは約1時間、数人の生徒と一緒に面接を受けた。
待ち時間、、、大勢の父兄たちと一緒に廊下にいた私。
顔見知りの父兄たちと少しお話をして、、そして大勢による早口の会話に疲れて・・・私はふと、すぐ横にあるみみの教室の廊下に目をやると、壁に何か沢山貼ってあるのが目に入った。
普段は学校の中まで入る機会はなかなか無い。