ブザンソンに戻り元の生活が始まった。
私はみみの様子が気になっていたけれど、久しぶりに行った学校で、両手を広げたクラスメイトにギュ~っと抱きしめられていた。
"ひとまず、ちょっと安心・・・”
相変わらず沢山、誕生日の招待状を貰ってきて、ジュリエットともますます仲良しになり、お互いの家でお泊りしたり、一緒にお風呂に入ったり。
そして、誕生日会に呼んでくれたお友達の家に私が迎えに行くと、その家のママは私のことも
「お茶でもどうですか?」
と誘ってくれる。
ひとりひとりとおしゃべりする機会が持てると、みんなそれぞれいい人たちだということが分かってきた。
大勢のママたちの会話の中にはいるのはまだまだ難しかったけれど、1対1の時は、色々なお話ができて、それがきっかけでその後も一緒に公園に行ったり、家を行き来したり・・・中にはホームパーティに招待してくれる家族も現れた。
その家族を今度はこちらが招待する・・・。
こんな風にブザンソンの人たちとだんだん近づいていった。
”ブザンソンの人は閉鎖的だけれど、仲良くなると親切・・・”
始めに聞いた言葉は、本当かもしれないとだんだん思えてきた。
みみは”それでも、日本のほうがいいの・・・”と時々つぶやいたけれど・・・だけど、楽しそうだった。
みみが馴染むことが一番の願い。
みみは、どんどん自分の居場所を作っていっていた。
そして、そのみみのお陰で、私もここの生活が少しずつ楽になっていった。