みみが指を切られた事件で私達は引越しを考えたり、眠れぬ夜を過ごしたけれど、
でもどうして・・・?
たかが6歳の子供(加害者の)の為に私達が引越しをするなんて、とんでもない。
でも、確かに恐ろしかった。
みみは・・・
「その子はみみを切りつける時”笑っていた”。」と言ったのだから・・・。
私はどうすればいいのだ?
どうすればこの子を守れるのだ?
その翌朝、私はまたいつものようにみみと学校に行った。
しかし、いつもとは違い、門の中まで入って行った。
私はその子供と向き合う覚悟ができていた。
「みみちゃん、どの子なの?切った子はどれ?」
みみは答えなかった。
周りを見渡すとジュリエットの姿があった。
「ジュリエット、みみの指を切ったCはどこにいる?」
ジュリエット、そしてその周りにいた生徒も一斉にひとりの子供を指差した。
男の子供数人の中にその子供はいた。
私はその子の前に立ち、言った。
「C,あんた、みみの指を切った子なの?」
その子供は何も言わず、そのまま他の子供にちょっかいを出し続けていた。
私の怒りは頂点に達し、、!
私は思わずその手首を掴み、上に挙げた。
私の顔を見上げるその顔は・・・その表情は・・・
なんてことだろう・・・これは、まるで犯罪者の表情・・・。
これが6歳の子供の表情なの・・・?!
ここで、少しでも文章を間違えたらなめられるのかもしれない・・と
さっきからずっと頭の中を回っていたセリフを・・・手首を掴んだまま私は大声で言った。
「あんたが、みみの指を切ったんだね!もうしないって言え!!」
ふてぶてしい表情で見上げ続けるその子供にもう一度大声で言った。
「もう、しないって言え!!!」
「ウイ・・・。」
私の殺気立った表情の前で彼は小さい声でそう答えたのだった。
気がつくと・・・周りに生徒達の人垣ができていた。
門まで歩く時に、自分の足がガクガク震えているのが分かった。
門の外からは親たちもそれを見ていたのだった。
6歳の子供を相手に・・・足が震えた私・・・。
だけど、それからその子供は改めて
「みみだけには絶対に近づかない。」
と学校で約束をさせられ、本当に何もしなかった。
そして、しばらくして引越して、学校からも姿を消した。
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