ナチスドイツは、1940年にチエッコ、ルクセンブルグ、フランス、オランダ、ポーランド、デンマーク、ベルギー、ノルウェーを占領し、ソ連との戦を始めようとしていました。リトアニア在住のユダヤ人の脱出は日本の通過ビザを取得し、そこから第三国へ出国するという経路でありました。
日本の通過ビザを取るには受入国のビザが必要だったのですが、幸いリトアニアにあったオランダ領事館は、カリブ海にあるオランダの植民地キュラソー行きのビザの発給を始めます。「キュラソー・ビザ」をとったユダヤ人が日本領事館に押し掛けたのは、1940年7月18日といわれます。ヨーロッパ各国はナチスドイツに占領され、そこを経由することは絶望でした。リトアニアに残っていた日本領事館で通過ビザを取ろうとします。日本経由で脱出しようとしたのです。ビザを求めてユダヤ人が日本領事館に押し寄せたのです。