ブザンソンに来てしばらく経っても、幼稚園送り迎え時に私に声をかけてくれる人はなかなかいなかった。
迎えに行って、まだ幼稚園の門が開く前・・・
親たちは門の前でおしゃべりをしている。
私だけがポツンとひとりでいる。
誰ひとり、”どうしてここに引越ししてきたのか”とか、”娘さん、言葉ができなくて大変ね”などと話しかけてくれる人はいなかった。
まるで、そんなことを聞くのはタブーだと思っているのかと感じるほどだった。
いや、まるで私の存在なんて無いかのように・・・。
・・・私は、夫のように会社に行く訳でもなく、娘のように幼稚園にも行かない。
家にいるだけだった。
買い物するにも言葉はあまりいらないし、、。
孤独・・・・!
私は、ひとりでいることは嫌いではないのだけど。
でも、それは、ひとりで居たくなければ方法はある、友達と買い物にもランチにも行ける・・・という中で、たまにひとりでいることもスキということだったのだなあ。
でも、このひとりは、本当に・・・。
私は、自分から子供たちの親に話しかけたことだってある。
例えば、クラスになんと明らかに日本の名前!の女の子がいた。
私はママに聞いた。
「・・日本の名前ですね?どうしてですか??」
「日本が好きなのです。マンガと、文化が。」
「ええ?!そうですか。嬉しいです。」
ところが、会話はそこで終わり。何か質問してくることは無い。
クラスの、みみと同じ誕生日の女の子のパパが隣にいた時、私は思い切って
「知っていますか?うちの子とあなたの娘さん、同じ日に生まれたのですよね。」
と言ってみた。
しかし、彼は、こわばった顏で私を見て言った。
「D'accord・・・」(分かりました)
ああ・・・話しかけなければよかった・・・と落ち込んで帰ったのだった。
でも!私も何かしなければ!
まずはフランス語を!!と思ってCLAに登録しに・・と思って行ってみた。
かつて雅子さまが通ったという有名なフランス語学校・・。
(なんと、雅子様は半年ブザンソンに住んでいらしゃった)
しかし、担当のおばさんは表情も変えずに
「水曜日、毎週来られないなんて生徒は入れません。」
と言った。
水曜日はディジョン日本語補習校に行かなくてはならないから行けない・・。
結局、高いけど、(とはいえ、1年間会社が私のレッスン料を出してくれるのだ)個人レッスンを頼んだ。
週1,2回、家に来てくれるドミニック先生は、50代の上品なマダム。
最初の授業で先生は私に聞いた。
「どうですか?ブザンソンは・・・?」
「うーん、、、誰も、、私に話しかけてくれません。私は孤独です!」
先生は、
「ああ、やっぱり。私の生徒(つまり外国人)は100パーセントそう言います。ここは人が閉鎖的と言われているのです。」
100パーセントか!!
私だけが感じていたんじゃないんだね・・・。
やっぱり・・・手強わそうだ・・・!
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