誕生日会に呼ばれないのは ”あんたが日本人だから!”と言われた次の日に、幼稚園に迎えに行った私は、みみがそのひどい言葉を言った女の子と遊んでいるのを見つけた。
みみは、なんとも思っていないの?
いや、あの時、みみは悲しそうな顏をして
「Non.c'est pas ca・・・ううん、そんなことない」と言っていた。
何も感じていないなんてことは無いのに・・・。
そして、みみの上着や、カバンがかけてある廊下に一緒に行くと、みみはカバンに書いてある”平仮名で書かれた自分の名前”を咄嗟に隠した・・。
ロンドンの日本人サークルで使っていたカバンだった。
みんなと違うことが嫌なのだ。
「なんで隱すの?みんな平仮名はカッコイイって思うよ。」
・・と言いながら、私もよく分からなかった。
本当のことを言うと、私も、道を歩くのも嫌になっていた。
みんなが・・・私を下に見ている・・。
バカにしている・・・。
そう思えた。
ただ道を歩くのも憂鬱で、家ではひとりで、行くところも無かった。
そんなある日、ストラスブール領事館1日出張がブザンソンに来た。
私は、まだ少し早いけど、みみが小学生になったら日本の教科書を貰うことについて質問をしに行った。
質問をしている間、私の隣に女の人が他の質問をしに来ていた。
ブザンソンに住む日本人を数名知っていたけれど・・・私の知らない日本人。
まだいたの?ここに住んでいる日本人が?!
用件が終わったのが、ほぼ同時で、私は彼女に
「いつごろからブザンソンにいらっしゃるのですか?」と聞くことができた。
「1年半前からです。でも、、、私、ブザンソンが嫌いなのです!!」
「ああ!!私もです!!!」
笑う領事館の人たち!!
私達は、へんな盛り上がり方をしてしまい!そのままカフェへ!
「ここは、田舎で、暗くて、閉鎖的で・・・・!」
「そうそう!!」
そんな話が続いた。
彼女は、フランス人と結婚している東京出身の方。
さばさばしているステキなお洒落な人。
ブザンソンは1年半だけど、パリに長く住んでいて、フランスはもう20年くらいとのこと。
私が「私、、、、実は道を歩くのも辛いんです・・・」
と言うと、それまでずっと”そうそう!!”と言い続けていた彼女は、
「え・・・?!」と止まり・・・。
私の話を聞いてこう言った。
「でも・・・それは無いわよ!!!日本人はバカにされてなんかいないわ!日本に憧れている人も多いし、日本に行ったことがある人も多いのよ!日本語を教えてってよく言われるわよ。
バカになんかされてないわ!!私達の国はテクノロジーの国よ!!!」
この話を聞いて、私は随分楽になった。
本当のところは、、分からないという気持ちはあったことはあったけど、私、そう信じよう・・!と思ったら、それまで
街中で日本語で話すのも恥ずかしかった気持ちが今度は逆になった。
なんて単純かと思うけれど、”私は日本人!みんなが見ていた、見ているマンガは日本が作ったのよ!そして、フランスにあんな素晴らしい電気製品は作れないの!!”くらいの気持ちになり、日本語を街中で娘と堂々と話すようにもなれた。
みみにもそういう気持ちをそのまま毎日伝えた。
みみも、そういう私を見て、日本は素晴らしい国なのだと思っていったようだった。
そして、幼稚園の中でもそういう発言をするようになっていた。
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