今日は日本のTVCFについて。
ロンドン赴任前は頻繁にサンフランシスコ、バンクーバーにほぼ毎月出張、これを数年間続けていた。そしてその後ロンドンに赴任。
現地法人では主に製品のマーケティングやセールスについて打ち合わせが多かった。
マーケティングといってもいろんな側面があるけども、ひらたくTVCFという観点でいうと、これはどういうプロモーションプランをつくるのかということなんだけど、ここが日本と西欧は全くちがうんですね。
おそらく皆さんはお気づきにならないけれど、日本のCFはとにかく芸能人やスポーツ選手、つまりアイコンにする人たちがでてきます。一例として日本の通信事業のCFを見ると、UQならあの3人の女優、Yモバイルなら歌舞伎役者さん達、そしてラインモなら踊りが上手なHさん、そして楽天はドクターXですよね。
なんかしらないけど、飲み物でも、ベッドでも、消臭剤でも、洗剤でも、とにかく芸能人やスポーツ選手がでてくる。要はイメージにあうキャラクターを出しているということなんでしょうが。
一方、海外のメガカンパニー、たとえばマイクロソフトやアップル、グーグルのCFに有名人がでてきて、「はいどーぞ!」的なCFなんてほとんどみたことがない。日本ではなじみのあるアップル製品を考えてみてください。有名芸能人がその携帯電話を手にして「はいどーぞ!」ていうCFみたことありますでしょうか?ないですよね。いつもコンセプチュアルです。
これは何が違うかというと、まずアメリカや欧州のマーケティングプランの軸というのはしっかりした「マーケティングコンセプト」を作ることから始まる。そしてTVCFというのはこのコンセプトを表すコンセプチュアルなクリエイティブであるべきだという考え方で、すなわちアップルやグーグルのようなCFになるわけです。
これがおおきな違いじゃないかといつも思っています。
なぜか?
まず、マーケティングコンセプトをしっかり考えて、それを軸に映像クリエイティブを作るのは、芸能人を安易に使うより正直難しいです。よって、簡単にいうと、日本のマーケティング(プロモーション)のレベルといのうは全般として高くないと私は感じます。(でもなかには芸人を使わず、とても印象度の高いCFも時折みかけます。個人的には三井不動産のCFなんて本当に素敵だとおもっています。)
そしてもうひとつは、おそらくCFを提案する会社、つまり広告代理店と芸能プロダクションとの癒着というか結びつきが大きいというのがあるのでしょう。
そしてわりと主要たるものは、CFを作る会社の宣伝部にもみずからマーケティングコンセプトをしっかりつくってそれを形にするということができる人がいなくて、安易に広告代理店のプレゼンにOKしちゃう。そして撮影現場で芸能人と会えることを期待しちゃうし、周囲の知人に自慢したりする。。。。。
海外で大手企業のマーケティングに所属しているひとはそれなりの専門知識をもっているケースが多いと思います。
こういう構造がTVCFの違いとなる。。。
そういう視点でTVを眺めてくると、まあなんでこんなに芸人がCFにでてくるのか、、と思いますよ。とくに売れっ子芸能人はありとあらゆる商材に出演してますので、一体、その人が本当に商品のキャラクターとして成立しているのかなんて考えればすぐにNOとわかるのですが、何十年たってもいまだ大手広告代理店のプレゼンだよりの宣伝体質というのは全くかわらないようです。
おわり。
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