(45) 私の居場所を探して・・そしてイザベルに出会う

ロンドンから帰ってから元気の無い私に、フランス語のドミニック先生は小冊子をくださった。

それは、"AVF(Accueil des villes francaises)"のものだった。

引越してきて間もない人が入れる会で、登録すると、そこで色々な習い事ができるということ。
ブザンソンだけではなくて、フランス全土にある組織だ。

中を見てみると、ビーズ教室や、刺繍、、、フランス語は無いけれど、英語、スペイン語教室もある。
そして、時々親睦会があるらしく、食べ物を持ち寄ってパーティをするとのこと！

「先生、これは、私にぴったりですね・・・！」

にっこり笑う先生。
早速私は、その会に登録しに行った。
お金を払ったら・・・

「丁度、今、みんな集まってパーティしていますよ！」と部屋に案内された。

「Bonjour・・・」

どきどきして入っていったら、そこはフランス人のおばあさんだらけ！（もっと若い世代の女性は、ほとんど働いていて昼間習い事なんかしている人は本当に少ないのだ。）
しかし、みんなニコニコして私を迎え入れてくださった。
”ああ、、、こんなの初めて！いつも、誰も話しかけてくれないのに・・・”

私は感動して、中に入って行き、、、
”ここはいいかも？”と思った！

おばあさん達の手作りケーキを堪能し、ワインを沢山いただいてきた！！

さて・・・・
色々ある習い事の中で私が選んだのは、まずビーズ。
ビーズで指輪を作る、、、。その次がブレスレット・・・。

しかし、これは意外と良くなかった・・・。
何故なら、細かい作業で要集中力！！
そんな作業をしながらおしゃべりをする余裕は無く・・・。
みーんな黙って作業を・・・・。
全然、仲良くなれない・・・・！！！

次に入ったのは、”英語教室”
これは残念なことに月に2回のみ。
フランス人と英語を話す・・・。
フランス人って英語話す人少ないし、たいしたレベルじゃないといいな・・・という思いで行ったのに、みごとに裏切られ・・・。

アメリカ人のだんなさんと家でずっと英語で会話しているというフランス人2人と、5年アメリカに住んでいた人と・・・レベルが高すぎて、会話に入って行けない・・・！
しかし、年齢層は、、私と同じくらいの人が多い！
新人の私は、英語で自己紹介をした。
「I'm Japanese.As my hasband was transfard to Besancon.I live in Besancon.I have one daughter.夫の転勤でブザンソンに引越ししてきました。娘が1人います・・」

するとイザベル先生は
「Are you Japanese・・・？！」と言った後、
「ワタシハ、フランスジン、デス。」と！！日本語で！

「え？？？」とびっくりする私を見て

イザベル先生は
「J'etais a TOKYO pendant 3 mois.私は、昔、東京に3ヶ月いたことがあります。」と笑った。

イザベルは・・・私より４つ年上。日本語を勉強したのだけど、難しすぎてダウンした！という通り、簡単な言葉しか今は覚えていないのだけど、でも、英語は母国語のように話せるし、いつでも好奇心旺盛でおしゃれで楽しい（笑う時には甲高く大きな声で笑う！）本当に優しくてステキな人。

彼女は私がこの教室に入ってから数ヵ月後から、毎週私とお茶してくれたり、車で遠出に連れて行ってくれたりするようになった。
家族で家に招いてくれたり、私もイザベルの家族を招いて日本料理を振舞った。
彼女は外国にひとりで行った経験があるから私の気持ちを分かってくれたのかもしれない。
だけど、だからといってどうしてそんなにしてくれるの？と何度も聞きたくなったことがあった。
どれだけありがとうを言っても足りない。
今でも、私は彼女のような人間になりたいと思っている。