ある日、みみのクラスにコートジボワールから転校生がやってきた。
黒人の男の子だ。
彼のママとパパはミュージシャン。
お国柄なのか、、、お迎えに来た両親は大声で楽しそうに話している。
なんだか、、、浮いている感じも・・・。
陽気なママは私に何か聞いてきた。
しかし・・・???
「ごめんさい。私、あまりフランス語が上手じゃないのです。分からないです・・・。」
と答えた私・・・。
彼女はびっくりした顔をして、
「ああ・・・そうなの?」と言った。
「私は日本人です。まだフランス語が難しくて・・・。」
と言うと、
「私もここに引越ししたばかりだけど、、、でも、言葉は同じだから! ラッキーだわね。私は。」
と笑った。
陽気な彼女。
・・・しかし、お迎えの時、彼女さえも他のフランス人ママの輪には入って行けない様子だった。
やっぱり、同じように、誰も彼女に話しかけない。
はじめ陽気だった彼女もだんだん門の前で静かに待っているようになった。
しかし、私は時々彼女と話したり、、、そこに入ってきてくれるジョークばっかり言うJ・Pさん(クラスの女の子のパパ)と話すことが時々あった。
彼に私達は
「ブザンソンは寒いですねー・・・。いつまで続くのですか?(この寒さ)」
とポケットに手を突っ込みながら聞いた。
彼は深刻な顔をしながら言った。
「7月になるとね、、、3日間だけものすごく暑い日があるんだ。しかし、その3日間が終わるとまた厳しい冬がやってくる・・・。」
私は、彼のフランス語を真剣に聞いているので、それがジョークだと気がつくのにちょっと時間がかかる。
しかし、、コートジボワールママはすぐに分かって、
「D'accord・・・・分かりました。」
とちょっと苦笑いのような表情を浮かべているのだった。
その後、あー、またジョークか!!真剣に聞いているのに!!!
と私!
難しいけれど、少しずつちょっとずつ中に入って行けるような気もしていた。
みみと同じ誕生日のLちゃんのママも時々家に招いてくれたり、一緒にカーニバルに行こうと誘ってくれたりもする!
しかし、そんな時、気がついたことがあった。
みみは9月から小学校に上がるけれど、学区の関係で、みみの行く小学校に行く生徒がこの幼稚園にはほとんどいないということ。
小学校に入ったら、また・・・振り出しに戻るのではないだろうか。幼稚園の送り迎え時に、少し会話をするような人もできたのに、今度上がるみみの小学校というのはこの人たちの子供たちが行く学校ではないのだった。
また知らない人ばっかりで・・また振り出しに戻るような気がした。
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