アンコールワットの概略 Angkor_Vat_01
こんにちは、みゆきメダカです。みなさんはアンコールワットという名前はご存知ですよね。ただ、それがどこにある、何であるかを正確にご存知な方はあまりおられないのではないでしょうか。アンコールワットはカンボジアのシェムリアップという町にある宗教遺跡で、ユネスコの世界遺産であるアンコール遺跡群のうちの一つであり、その遺跡群を代表する寺院です。
元々アンコールワットはヒンドゥー教の寺院として12世紀前半に30年を超える年月をかけて建立されました。その後、16世紀後半に時の為政者により仏教寺院に改修されています。ちなみにワットはクメール語で寺院を意味するのですが、タイ語でも寺院を表す単語の発音は同じくワットです。
もともとカンボジアの一部であったアンコールワット遺跡群のあるシェムリアップ地方は18世紀末にシャム(現在のタイ)に割譲されます。その後、カンボジアはフランスの保護国になり、1907年にシャムから割譲を受け、再度カンボジア(正確にはフランス領インドシナ)の一部となります。
その後、第2次世界大戦中にフランスがドイツに占領されると、タイはシェリムアップの併合を試み、タイ・フランス領インドシナ紛争が起こります。最終的には日本がこの紛争の仲裁に入り、1941年の東京条約により、タイの一部とされました。バンコクにある有名は戦勝記念塔はこの時の勝利を祝い、戦没したタイ兵士を慰霊するために建てられています。
第2次世界大戦の終結により、シェリムアップは再びフランス領インドシナに戻り、カンボジアが独立するとその領域になります。その後も政権を追われたクメール・ルージュが落ち延びて本拠地にするなど、いろいろな問題に直面しますが、2000年代に入り、カンボジアの国自体がお落ち着きを取り戻すと、アンコールワットも観光地として世界的に脚光を浴び、現在に繋がっています。
アンコールワットへの行き方非常に素晴らしい遺跡ですので、観光などで、バンコクに来られて際には、少し足を伸ばしてみることをお勧めします。バンコクからの行き方は、飛行機でシェリムアップ国際空港に行く方法と、陸路でポイペト経由でシェリムアップに入る方法があります。
航空機の便は速くて便利ですが、タイ国境の町ポイペトにはギャンブルを禁止しているタイからの客目当ての立派なカジノがたくさんあり、時間に余裕があれば、遊んでみるのも良いかもしれません。
また、カオサンあたりの旅行代理店が格安の陸路チケットを販売しているようですが、あまり良い噂は聞きません。使われる場合は十分注意してくださいね。
残念ながら、日本からシェリムアップ国際空港への直行便はまだ就航していません。したがって、日本からはバンコクかプノンペン経由でシェリムアップへ入るのが一般的のようです。
バンコクからであれば、日程的には日帰りも可能ですが、最低でもシェリムアップで1泊、できれば2泊されることをお勧めします。理由は、アンコールワット遺跡群はいくつもの遺跡が点在しており、訪れるのに時間がかかること、また、アンコールワットやアンコールトムなど、主要な遺跡は規模も大きく単独の遺跡を見るだけでもかなりの時間が必要です。また、圧倒的な感銘を受けるので、それを自分なりに咀嚼するためにある程度、時間をあけて次の遺跡に向かうのが好ましいからです。
それでは、まず、シェリムアップとアンコールワットの間にあるパス売り場で顔写真付きのパス(アンコールパス)を買おう。このパスがあれば一部の例外を除いて全てのアンコール遺跡群に入れるよ。また、写真はその場で撮ってくれるよ。また、移動にはタクシーかトゥクトゥクを使うことになるので、前泊をシェリムアップのホテルでするなら、ホテルで紹介してもらおう。
アンコールワットは写真のように堀で囲まれた伽藍の中に精密な彫刻の装飾を伴った数多くの建物により構成されているよ。アンコールワットはこの堀によって、荒らされることを免れることができたので、他の遺跡と比べて、装飾の保存状態が良好に保たれているよ。
上の3枚の写真はアンコールワットの装飾のごく一部を示しているよ。アンコールワットでは、全ての建物がこのレベルの素晴らしい装飾に覆われているんだよ。正直言って、気の遠くなるような労力と時間と技術が惜しみなく投じられているね。
当時の職人さんたちが、何を思い、何のために、このような素晴らしい彫刻を残したのか、想像に想いを馳せてみるのも楽しいかもね。
アンコールワットにはいなかったけど、アンコールトムなど、他の遺跡では、地元の男性がことば巧みに近寄ってくるよ。遺跡のいわれや、歴史を頼みもしないのに丁寧に説明してくれるよ。そして最後には、「自分はボランティアで孤児のための学校を営んでいるが、経営が苦しいので寄付してほしい。」みたいな事を、言ってくるんだ。初めから「寄付」するつもりなら良いけど、そうでないなら、英語がわからないふりして聞き流そう。
「ボランティアなのに経営しているのか」というツッコミは勘弁してあげようね。みんなそれぞれ大人の事情があるんだよ。
上の写真はアンコールワットではなくて、隣のアンコールトムで日本のある団体が遺跡の保護事業を行なっている(ぼくが訪れた当時)事を示す立て看板です。日本人も何人か遠路はるばる日本から来て、この事業のためにここで作業しているようでした。お疲れ様です。とても意義のある保護事業ですね。頭がさがる想いです。
それでは、最後までお付き合いありがとうございました。さようなら。