先日、FBでも少しふれたのですが、最近ワインを飲んでいると地球温暖化を如実に感じます。
ここ最近飲んだのものでは15年のシャブリを3種類。うち2種類はいわゆるシャブリ特融の縦に伸びる鋭い酸が全然なくってまーるい。果実のふくらみとかはさすがに弱いのだけど、「これがシャブリ?」とおどろくような印象です。とにかくきりっとしていない。時間の経過とともに、いずれも非常にミネラリーな、つまり石を感じさせる味が顕著になるのだけど、そうなってはじめて「あ、シャブリだ」とわかる感じです。
そして最近もっとも驚いたのが、バシュレ・モノという白に強い生産者、若手の名手の15年の広域、つまりACブルゴーニュ。驚くことに甘すぎて途中でギブアップするほど。口に入れた瞬間にまさかブルゴーニュだと思えない甘さ、、、、あの名手にして。
あと今年もっとも驚いたのがあの北のドイツとの国境であるアルザスのピノ・ノワールのレベルの高さです。一昔前まではリースリングとか白一色だった地域ですが、今や赤ワイン、それもブルゴーニュ品種であるピノの生産量が伸びていて、実にこれが素晴らしいのです。
同様に、ドイツも今や赤ワインの生産地としての地位を高めています。ここでもおいしいピノがつくられているのです。
そして極め付けはブドウ生育の北限と思われるシャンパーニュ。ここは気温が低くて糖度が上がらないので、補糖といって人工的に糖分を添加するのがあたりまえだった。ところが今や、ノンドザージュといって糖分を添加しないシャンパーニュが増えてきています。
ワイン愛好家の中にはシャンパーニュは太りやすいという人がいますが、これももうすぐ昔話になるかもです。
ブルゴーニュも含めた北のワインというものは、気候的にリスクが多い、要は不出来、つまりうすくて酸が立つような年が多く、そのためにヴィンテージの特徴を覚えないといくらお金があってもはずれを引くという状況だったのが今は様変わりしつつある。
ところがブルゴーニュ愛好家というものは実にひねくれた生き物でして、あの昔の味わいがブルゴーニュだと舌が記憶しており、ここ最近の緩くって甘味ののった、果実が広がるような一般うけする味に出くわすと、「ブルゴーニュらしくない」といってうなだれたりするのです。
昔ははずれを引いてうなだれ、今はあたりを引いてもうなだれる、つくづく愛好家というのは救いがたい、天邪鬼な生き物だと思う今日この頃です。
おわり。
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