リアルタイムでは無事にマチュピチュからパナマに帰って来ておりますatsukoです。乾燥地帯クスコ/マチュピチュから、湿度たっぷりのパナマに戻ってお肌が喜んでおります
めっちゃ楽しかった壮大なマチュピチュ旅行記を書く前に、パナマのコーヒー畑の更新を!長くお待たせしてすみませんでした
<もくじ>
・ Volcan観光① 動物保護施設 (ナマケモノとのハグ)
・ Volcan観光② コーヒー畑
ナマケモノをハグしてご機嫌だった私ですが、忘れてはいけない、もう一つの大きなVolcan観光スポット、コーヒー畑の見学に行って来ました。
<Janson Coffee Farm>
Web: http://www.jansoncoffeefarm.com/
ツアーWeb: http://www.lagunasadventures.com/
備考:
・ 英語可、奥さんのEmilyさんがアメリカ人
・ 近隣のコテージに宿泊可
・ 各種アウトドアアクティビティあり
コーヒー畑に行きたがっていたくせして、実は出発2日前になってから予約をした私
1時間のツアー + コーヒーの試飲がしたいことをお願いしたら、メニューにはないけどアレンジしてあげるわ!快諾され、無事に予約完了
当日は広い敷地内を迷子になりそうになりながらも(この時はgoogleマップの案内は誤差なくOKでした)、待ち合わせ場所のCoffee Shopに無事到着。
普通に英語を喋ってくれる白人のご夫婦にWelcomeしてもらい、英語担当だという奥さんのEmilyさんが私たちの担当となって、早速ツアーを開始してもらいました。
先に言うと、このツアー/Emilyさん、最強でした。
Emilyさんはまだコーヒー事業に関わり始めて5年程度だそうですが、彼女の知識が豊富だこと!
コーヒー豆の栽培・育成からコーヒー製造までの行程や注意点はもちろん、Volcan地方の気候や地質から見た継続的に健康的に栽培を続けるためのポイント、世界におけるコーヒー豆/ゲイシャコーヒーのマーケット取引規模と傾向、現地/ローカル従業員の教育から福利厚生、輸出するだけでなくパナマ国内への地産地消の開拓と維持、副産物や二次産業のビジネス化、そして各種サイドビジネスの開拓、
もう、すごいっす
ブログでそんなのを全て書いてたら大変なことになってしまうので、軽くしか書きませんが、このEmilyさんのツアー、超オススメします
私たちが行った7月は収穫期ではなく、それも日曜日にお邪魔したので工場は稼働してなく、閑散と静かな感じでした。
生産しているところが見れなくて残念だなぁ思っていたけど、逆にこの時期だから工場の内部までゆっくり案内できるし、日曜日だから業者向けの交渉/試飲オフィスも見せてもらえて、結果オーライでした
Emilyさんが逆に「今は収穫期じゃないからコーヒー豆ちょっと取って見てもいいよ。収穫期は絶対あげないから」と、熟したコーヒー豆を採らせてくれました。
コーヒーの豆は皮が3層になっていて、一番外の層を取った状態がこれ。なんかパッションフルーツと同じような、まわりに薄い果実が付いていて、食べて見たらほんのり甘かったです
コーヒーの精製乾燥方法は3つあり、
・ natural (ナチュラル)
・ honey (ハニー)
・ washed (水洗い)
natural の場合は、赤いコーヒー豆をそのまま乾燥させることで、コーヒーの皮から果実から豆までを精製するので、丸ごとで作られる味を堪能できる方法。これはコーヒー発祥の地、エチオピアのコーヒー精製方法と同じです。
honey の場合は、赤い皮を剥いて、果実が付いた状態で乾燥させることで、果実の甘みも堪能できる方法。
washed は、皮・果実を洗い落としして豆を丸裸にすることで、スッキリがっつりコーヒー豆の味を堪能できる、いつもの一般的なコーヒーとして仕上げる方法。
私はそこまでコーヒーマニアではないので、全てが「ほおおお」状態でしたが、確かに皮・果実・豆、それぞれの味わいをどこまで残して精製するかで味は変わるよね〜 と、この時はふと思いつつ、試飲した時には、素人の私でも明らかに違いがわかるから、コーヒーってのは奥深い。
収穫した直後のコーヒー豆の振り分ける機械も、天日干しする広場も、オフシーズンなので空っぽ。逆に、1月〜3月を中心とした収穫期はこれがフル稼働で動いていて、大変忙しいそうです。
豆を乾燥させて2層目の皮を剥がす作業をする機械も、絶賛停止中。倉庫もガラーんとしていました。
でもここで大事なことをEmilyさんが1点。
倉庫には在庫が残っているように見えるけど、これは全て販売済みで成熟させる為に置いてあるものだということ。
収穫時にバイヤーは我先に農家にきて、味見をして
「この畑のここのエリアのこの段の、苗の地上からの距離 ~cmの部分の豆をください」と買取に来るそうです。
それくらい、コーヒー豆の味は変動しやすいうえ、高価なゲイシャコーヒーを取り扱っているので、生産する側も買い取る側も、細かい管理を求められるそうです。
途上国から発展国への貿易規模が、石油の次に大きいのが、コーヒー豆。コーヒー産業は、実はとっても大きなマーケットなのです。
それも近年のコーヒーブーム、それも中国などでもコーヒーブームが始まったことから、その取引は活発化。
ただ、コーヒー豆は株のようなトレード商品として、トレーダー間で転売/売買されているうちに値上ってしまうこともあるそうで、Janson Coffee Farmではそれを嫌い、直接販売する業者としか取引をしないことに決めたそうです。
また、輸出して大きな利益を得ることも大切だけれども、きちんと国内にも卸すことで、地産地消を意識していたり、現地ローカル従業員の教育はもちろん、その住居サポートや家族の生活・教育費補助など、
ただ単に儲ける事だけではなく、パナマ社会に役立つビジネスであることを意識しているとのこと。
途上国から搾取するのではなく、途上国へのリスペクトはもちろん、途上国の発展を支援する心、日本でもよくフェアトレードとか発展途上国支援してます商品を見かけていたけど、正直、そういうのは綺麗事や広告/ファッションアイテムの一つにしか見えていなかった私。
こういうことかと実感できたのは初めてで、本当に役立っていることがわかって感動しました(遅い)
そんな素敵なJanson Coffee Farm、日曜日でボスのオフィスも空いてるから、せっかくだから見せてあげるよ、と、Emilyさんに見せてもらったのは、精製乾燥方法の湿度や温度管理を判断するためのお試し焙煎機。
ヘクタール規模の大きなコーヒー畑を、ひとりのボスが管轄・管理して、その人の舌が絶対判断を下す。かっちょいいねえー
業者との取引テーブルは、回転する円卓になっていて、栽培場所による番号が入ったサンプルがあります。「プロは、飲んでぺっ!ってやるcupping (カッピング) をするけど、あれはエグいから私たちは試飲のtastingよ!」と、Emilyさん力説。どうもカッピングが苦手だったので、普通に試飲でありがたかったです
ボスの部屋の棚には、取引業者のパッケージになったJanson Coffee Farmの商品もずらり。アメリカ、ヨーロッパはもちろん、アジアのコーヒーブームがものすごいらしく、台湾のblack goldという会社が一大取引相手だそうです
さて、一通りのツアーのあとは、お楽しみの試飲
Washed, Geisha Natural, Geisha (Washed), Coffee Cherry Teaの4種類を試飲させてもらいました。
Coffee Cherry Tea は副産物のビジネス化の一環で、コーヒーの葉っぱでもお茶にしようとしたけど、特性が全く見えなかったのでコーヒーの実だけにしたのよ、との裏話も教えてくれました
味の違いをわかりやすくするために、普段は2カップ = 2杯分のところを、1.5倍の濃度で試飲させてもらいました。
Washedは、いつものコーヒー + 普通に丁寧に入れてもらっているから美味しい味。
Geisha (Washed) は、フルーティーな味
Geisha Natural はさらにフルーティーさが上がり、もはやフルーツティーみたいな味でした。
....ってそのままEmilyさんにも伝えたら、
「そうなのよね。Geishaコーヒーはその希少さが主な高額な理由になっているけど、コーヒーを飲みたいのにフルーツティーをわざわざ飲む?舌は正直なぶん、皮肉よね」
と、まさかの暴露トークまで笑
こうして充実度180%の濃厚なコーヒー畑観光も完了し、我が家は普段はコーヒーを家では飲まないので Coffee Cherry Tea を購入し、そのまま6.5時間ドライブでパナマシティーの家路に向かったのでした。
次は収穫期に、お泊まりもしに行きたいなぁ
あ!最後に、
Geishaコーヒーは、芸者コーヒーではなく、エチオピアのGesha地方が発祥のコーヒー豆が、中米にくる頃に訛ってゲイシャなった、とのこと。芸者とは全く関係ございません。
長年の謎が解明されてスッキリした豆知識でした
いいね!代わりにポチッとしてくれると嬉しいです。:)