携帯はフィンランド製ノキア
29日(水)曇。昨夜は久しぶりに映画を観てきた。「100000年後の安全」、世界で初めて建設に着手した使用済み核燃料の最終処分地建設をめぐるドキュメンタリーだ。映画はオンカロ(隠し場所)と呼ばれる、地下500メートルの最終処分地の入り口からスタート。
原発推進派に見せたい映画だ。ナレーションの中に「原発に賛成か、反対かの問題ではない。出続ける核廃棄物をどうするのか」の問題だと。フィンランドは原発を4基保有し、電力の26%余りを原発に頼っている。世界中の原発から出る廃棄物は約25万トンという。
日本は昨年9月末で2万トンを超え、使用済み燃料プールの容量はあと7年弱で満杯になる。最終処分は世界中の悩みなのだ。現在の技術では放射能廃棄物を安全に処理する方法はない。海洋投棄も宇宙への話も消え、地下に埋めて処分するのが共通認識となった。
怪しげな電機メーカー
驚くべきことに、今まで世界は最終処分地の建設をやっていなかったということだ。04年、フィンランドが最初に着手。原発全廃を決めたスウエーデンでさえ、13年にようやく始まる。フィンランドは180億年前の固い岩盤を地下500メートルまで掘り下げて作る。
ほぼ地震の恐れのない強固な岩盤にダイナマイトをしかけながら掘り進む。今は最後の収納場所となる広いスペースを確保する段階だが、それでも埋設が始まるのが2020年で今ある原発の寿命を終え埋設が完了するのが2100年、それから10万年間保管する。
何故10万年なのか。銅と鉄の二重の容器(日本はガラス)に閉じ込めた放射性廃棄物から放射能が出なくなる年数だというのだが、これは欧州の基準で、アメリカは100万年としている。ドイツもアメリカも処分候補地を上げたが、住民の反対運動で行き詰っている。
タイのトイレはどこでも綺麗
地震もほぼない国でさえそうなのに、日本のような地震、活断層だらけで、しかも豊富な地下水の問題もある。日本の案は地下300メートルだが、そんな地層があるとは素人目にも信じがたい。調査を受け入れるだけで90億円という人参をぶら下げても応募がない。
今回の福島の原発事故でこの問題はますます困難になることが目に見えている。日本は世界中が消極的な使用済み燃料を再処理してプルサーマルに使うから無駄がないと散々宣伝してきたが、再処理のための六ヶ所村の施設がトラブル続きでいまだに稼働していない。
仮に2年後に稼働したとしても年間800トンの処理能力しかないし、毎年出てくる1000トンの使用済み燃料を処理しきれない。200トンずつ増えていく計算だ。しかもプルサーマルで廃棄物が全てなくなるのでは全くなく、もっと高レベルの廃棄物が出ることになる。
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