比較的、「リッチ」と言われる人たちに囲まれて、20年近く生きてこられた、元なんちゃって外交官夫人な私です。
そんなわけで、家柄も特別良いわけでもなく、頭も特別に良いわけでもない私なわけですが、主人の仕事のおかげで、人並み以上の暮らしをする事が出来たわけです。はい。
アメリカのようにどデカい国には、自分から入って行かないとまず無いよね!と言うくらい、生活のレベルが違う人達には遭遇しません。生活のレベル、そして暮らし方は、地域によって、かなりな格差がありますよね。
「結婚25周年で、テキサスからウィスコンシンまでのロードトリップをするんだ!」と言いったら、薬局の兄ちゃんが、真を丸くして、「え?マジ?」って感じだった理由は言うまでもないのですが、時間がかかる旅もそうですが、たとえハイウェイと言われても、何にもない田舎道を突っ切っての旅は思った以上に感慨深いものでした。
私達が結婚したのは1991年の9月、フットボールの、グリーンベイ・パッカーズで有名なGreen Bay。アメリカに既に帰国している主人が日本に住んでる私に、結婚するならどんな様式の結婚をしたいか?と聞いてきたので、「どこでもいいから、式だけは挙げたい。なぜなら、うちの両親のように結婚式の写真を子供に見せられないのは、悲しいから。」と言いました。
私の両親は結婚式を挙げてません。戦後の高度成長期世代で、もともと兄弟が沢山いて家計の苦しい家庭出身の父と、田舎から故郷を捨てて飛び出してきた母でしたから、結婚式も挙げられずで、私達には「写真は火事で燃えてしまった」と言っていました。
親の立場からしても、あまり気持ちのいいものではないのは知ってましたので、これだけはっていうのが、結婚式の写真でした。
結局、2人ともクリスチャンでないので、ブライダルチャーチしか私達にはチャンスはなく、家族だけでの結婚式でしたが、それはそれで大満足でした。
いつも思うのですが、結婚生活をスタートした時点で、そのまま主人の故郷であるWood Daleに残り生活していたら、ここまで生活のレベルを上げられなかっただろうと思っています。そう言った点では、間違いなく政府の仕事は生活レベルブースターでしたね。
国務省の日本人妻たちは比較的「お嬢」が多いので、私は「なんちゃって」って言葉がぴったり合っているわけですが、色んな世界を感慨深く見る目を備えてる分、私のような立場も趣あって良いかも?と一人思うのです。
今回の旅で、初めはちょっと気分が滅入るくらい、過去の生活基準を思い出しましたね。特にWood Daleに帰った時には、「ああ、あの時国務省から電話かかってきて、ホント良かったわ~!あのままここに居たら、私は、主人はいったいどんな生活を送っていたのだろう?子供たちは、ちゃんと大学に行けたのだろうか?」・・・そう思うとヤバイよね!と思ったのであります。
時は流れていますよね?確実に。だって、あれから25年経ったのですから。しかし、、、いたんですよね、時の止まってる人達。。。これには私もびっくりしました。と同時にアメリカの国土の広さを思い知りました!って感じでしたよ。
今回、急な旅行決定で、ハネムーンで泊まったSturgeon bayのリゾートに部屋の空きが無かったので、仕方なく街の南側のB&Bに泊まりました。B&Bですから温かい朝食付きで、ダイニングに宿泊客が集まって、お話ししながらの朝食でした。
1日目は、大家族でよくよく聞いてると、なんとも懐かしいサウンドの言語が。。。なんとドイツ語を話す人が隣に座ってました!話を聞くと、なんでもご家族でバケーション中だそうで、息子さんのお嫁さんがドイツ人でした。お嫁さんのご家族と共にウィスコンシンを旅行中なんですって。
ウィスコンシンはもともと、沢山のドイツからの移民がいるとは聞いていましたが、観光船に乗るつもりで列に入って待っていたその時、駐車場のバスから、ギャーギャー言いながら、サマーキャンプの子供たちがこちらに向かって歩いてきました。ここで、列に並ぶ人達皆が、Oh!No!と思ったのは言う必要はありませんよね。笑
私はそのサマーキャンプの子供達の異変に気が付きました。たぶん私がめっちゃインターナショナルな外国人だからだと思います。「は?見事に金髪ばかりなんですけど!これってドイツより金髪人口多いよ、しかし。」とね。
そうなんです、白人ばかりもそうなんですが、ほとんどがブロンドなんです。茶色い毛の子もいましたけど、うちの息子の小さい時の様な金髪に近い茶色ですよ!これって、私には時が止まって見えたんです。今どこの国でも、一つのグループにこれだけの金髪がいる事は珍しいのです。
以前、金髪家族のフィンランド人の友達に聞きましたところ、実の所フィンランドでも金髪は少ないそうです。人種の混ざり加減が急速になってる証拠。つまり、どんどんグローバルになっているんだと思います。
ドイツでも、金髪が絶滅するのも秒読み段階!なんて言われてますよね。なのに、ここウィスコンシンの田舎では、金髪ばっかじゃん!ガラパゴス島やんけ!と思ったのでした。笑 とにかくウィスコンシンの金髪人口はドイツより高いです。
そう思って、次の日の朝。前の日と同じようにダイニングに朝食を取りに行きました。しばらく、向かい側に座ってる年配の女性と話をしていると、そこに、カップルが入ってきました。このカップル、後に私達に、「タイムトラベラー」と呼ばれる羽目になりますの。笑
私はもともと洋服屋の経験もあるからでしょうけど、彼らが入ってきてすぐに、おおおおお!と頭の中で大きな声が響きましたよ!だって、ファッション、ヘアスタイルすべてが、「70's Rock!!! Hello,Wisconsin!」って感じ~~~!。
大昔、横浜で青春を謳歌してた当時の私、こんなNavyの子たちを何人か知っていたけど、、、今でもまだいるのかい?嘘やろ?って・・・今何年?とタイムトリップしてしまったのは、もしかして私?と疑いたくなるくらい、それはそれは、70年代のロックバンド風なんです。
説明しましょうね。まず男性。程よく鍛えて、長身のまずまずのルックスな男性。髪型はトムペティーのアッシュブロンド版で、ファッションはどこで買ったの?それ、80sでしょ?薄い紫に、ピンクや黄緑のロゴが入った、良くH&Mなどで、ビンテージを意識したデザインシリーズなんかで、売ってそうなタンクトップ。そこから逞しい腕が出てるんですが、この手の腕って結構私好みだったりで、ちょっと萌え~!ってなりましたけど。笑
女性。私は女性の方に2倍にびっくりしましたよ。だって、女性ってやっぱり流行追いません?こんな女子力低い人見た事ない!と初めは思ったのですが、よく見ると彼に合わせてこうなんだ!けなげ~!と思いきや、いやいや、これ絶対地で行ってるわんな。だって、、、
髪型!どこに行ったら、このように切ってくれるの???と頭の中でまた叫ぶ声が・・・。
皆さん、エディー様の若い時の髪型覚えていますか?あれですよ!あれ。彼女はそれが金髪なだけ。Van Halenってナニ?っていう若者に説明すると、トップの方が短いレイヤーでくるくるしていて、耳の所くらいから、これまた縮れた長い毛が下に向かってシューっと伸びている、要するに、70~80年前半のロッカーなヘアスタイルですわ。
ファッションも彼に合わせて、タンクトップにジーンズ。お顔はシンディー・ローパー。もうそれはタイムトリップ。
この一連のビックリ度を最後まで表面に出さず、平常を装えたのも、外交官妻の経験から。笑 後で主人に、「ねえねえ、・・・」と話し始めると、主人はその時点で初めて気が付いたようで、「そう言えばそうだったね、うん、タイムトラベラーみたいだったわ、言われてみれば。。。」なんて言っておりました。
普段、人の外見でジャッチしないうちの主人はこんな時、1テンポ遅れてついてきます。笑
彼らはウィスコンシンの田舎町の人で、只今、バケーション中だと言う事。なるほど、世の中にはいろんな人がいて、この国はそんな人に毎日会えないくらい、国土がデカくって、地域で格差があるのだな~!って思ったのです。
時が止まった田舎の暮らし。。。想像を絶する世界がそこにありました。・・・つづく
B&Bのテーブル









