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駐妻ブログの嘘
海外赴任が決まると 夫たちは 前任者から引き継ぎを受けたり 同僚から 話を聞いたりして 赴任地の情報を集めることができる。 しかし 妻たちは 引越しや 子供の学校のことで 現地社会に直接 放り込まれるにも関わらず ほとんど 情報がない。 そこで 妻たちは 自ら情報収集しようと パソコンの前に座り 「駐在」「アメリカ」といった キーワードで 検索をかける。
かく言う私も 海外転居が決まり 一体 どこに住み 何を準備していけばいいのか 少しでも 手がかりがほしくて インターネットの海を さまよった。 海外駐在に関するガイド本は手に入るが 通り一遍の情報しか 書かれていない。 駐在経験者にも話を聞くが 必ずしも 赴任地が同じではないし あれを持って行け これを持って行けと 場当たり的な事を言うか 「もう覚えてないなぁ」などと 心もとない。
気候はどうなのか、学校はどんな雰囲気なのか、買い物は、住宅事情は、治安は?
NYで 主婦として暮らすとなると どんな生活が待っているのか。
とにかく 今 実際に 暮らしている人の声を 聞きたかった。
くしくも コンピューターの専門知識がなくても 誰もが ブログを開設できる時代が 到来していた。 ネット検索をかけると 面白いぐらい アメリカ在住の 駐在妻のブログが 引っかかる。
ただし こちらが求めるような情報は ほとんど得られなかったが・・・。
海外に暮らすようになると 多くの人がブログをはじめる。そして 最初は がんばる。 行く先々で 写真を撮りまくり 毎日のように 更新する。 あんなことがあった、こんな事があったと 日々の記録が続くが 内容は スーパーに行ったとか 庭にリスが来たとか 家で水漏れがあったといった 身辺雑記ばかりだ。
しばらくすると 生活が落ち着き お友達ができたのか お出かけ先のレストランの 料理の写真が続く。 そして 数か月すると ホリデー。 旅行先の写真があって、それから 少しばかり 子供の様子を記した記事があったと思ったら 急に 更新速度が 落ちる。 その後は たま~に パーティーに持っていく料理や 趣味で作った作品の発表が ある程度。 だいたい1年ぐらいで ネタがつきて 完全に 放置される。
これを 後から検索で来た人が 一気読みすると まるで連日のように 食べ歩きして 買い物して 旅行三昧に見えるので 「 駐在妻は遊んでばかりいる 」と 批判されることもあるという。( 誰が批判するのかは知らないが )
しかし 日本の主婦のブログとて 9割は こんな感じだ。
ランチに行けば そこの料理の写真をアップし、 たまに買い物すれば 戦利品を お披露目する。 それが 海外だからというだけで 嫉妬されるのでは 駐在妻が 可哀相だ。
第一 主婦の生活なんて どこで暮らしていても ランチとショッピングぐらいしか 特別なイベントはない。 海外にいても 普段は 家族の世話に家事にと 至って普通なのだから 取り立てて 書くこともないのである。
ところが 読んでいる方は 「 海外生活は 楽しいんだろうな 」という バリバリの先入観を持って読むので 近所のランチでも 「すてき~」、 そこら辺の雑貨屋で買い物をしただけでも 「 さすがアメリカン!」と 何でも 「(羨)」目線で 見てくれる。
もちろん 書く方も あえて ネガティブなことは 書かない。
日々の生活で 楽しいことだけを見つけたいから、とか、 日本の家族が見ていて心配するといけないから、 と言うが、 ネットの中だけでも 海外生活を満喫している自分を 演出したいという意図も 無きにしも非ずである。
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「お友達と 素敵なカフェでランチをしました~♪」
その素敵なカフェは 一見 おしゃれだが トイレは汚いし テーブルはパンのかすだらけ。 当然 アメリカだから おいしいランチなんて 滅多にありつけるわけがない。 書いている本人も 湿気たサンドイッチが不味くて 食べきれず残したが あくまでも おしゃれなニューヨーカーとして 記事をまとめたいのだ。
「今日の お教室で作った作品です」
読む方は アメリカ人と一緒に 習い事でもしていると思うかもしれないが
駐在日本人が暮らす街には 日本人相手に 日本人が好みそうな習い事をやっている 日本人の講師が いる。 当然 仲間は すべて日本人だ。 しかも なぜか日本人だけが作る 「駐在記念」の作品が多い。 たとえば 赴任地のデザインを模した刺繍や ビーズで作る小物などである。 アメリカ人が 見たことがない趣味の世界が そこにはある。
「友達のシンディが サラダを作ってきてくれました」
アメリカ人は 一言でも会話すれば ’友人’に 仕立て上げられる。
読む方は 勝手に 相当親しいに違いないと思い込むが たいていは 英語教室の先生や 学校がらみで大勢で集まった時の一人だったりする。 とりたてて 親しい友人という間柄ではないのだが 書く方も あえてそこは 詳しく紹介しない。 あんまり本人が 「友達」と強調するので そのアメリカ人に 「**さんと親しいんでしょ?」と聞くと 「誰、それ? あぁ あの日本人?」と 名前すら覚えられていないというケースも あるらしい。
「子供の誕生会に 10人ものお友達が集まってきてくれました~」
まさか 子供の友達まで 全員日本人とは かっこ悪いのでかけない。
嘘はつかないが あえて 日本人とも アメリカ人とも 書かず
読み手の 勝手な解釈に任せておくことにする。
子どもの友達が うちに遊びに来ました、 お泊りに来てくれました、 というたぐいの記事も 読む方は 「 あぁ あそこの子は アメリカ人のクラスメートと 学校の外でも 仲良くやっているのね 」と思うかもしれないが たいていは 日本人だ。 親が言葉ができないと 子供同士といっても なかなか学校の外でのおつきあいにまでは 発展しないのが現実。
「息子の親友の ロバート君です」
顔は隠しているが 髪は かなり茶色い。れっきとした(?)アメリカ人。
といっても 母親が日本人だから 親子で仲良くできているのだが 詳細は書かず あえて お父さんと一緒のところを盛り込んで いかにも純粋な白人の友人のように 見せておく。
「パーティーに行ってきました」
数人の白人が写っていて にぎやかな雰囲気だ。
まるで 華やかな 社交の世界が 繰り広げられているかのようだが 実際には ESL(英語)教室の恒例行事か 夫の同僚の集まり。 料理は パスタ類にサラダだし 紙皿に プラスチックのフォークで食べる たいへんカジュアルな 立食パーティーである。 しかし 日本人は パーティーと聞くと 勝手に ヨーロッパの王室パーティーのようなものを 思い浮かべる。 本人が主催したわけではないが 読み手は ホステスとして 現地の友人たちをお招きし 接待する 駐在夫人のきらびやかな「日常生活」を 作り上げていく。
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こうして 書き手のちょっとした隠ぺい工作と 読み手の 勝手な解釈が相乗効果をなし、バラ色の「駐妻」像が できあがっていく。
ポジティブとか 前向きとか 明るくとか 書き手の 言い訳は この際 どうでもいい。 しかし こうした 小さな「ミエ」が これからやってくる 駐在妻を苦しめ、 今暮らしている人に 「 私以外のみんなは 現地になじんでいる 」と いらぬ劣等感を募らせ、 日本在住の妻には 「 ちょっと外国ぐらししているからって 何よ」と、 見当違いの嫉妬を 抱かせていることにも 気づくべきだと思う。
日本人が駐在にでるようになって もう 何十年もたっているのに
海外生活の偶像化は これだけの情報社会になっても 加速するばかりなのは どうしてなのだろう。
ブログは 個人的な記録でもあるのだから どんな記事を書こうが 個人の勝手だ。 しかし 耳障りのよい話ばかりを選んで 意図的に流すのは ある意味 隠ぺい工作であり 情報操作である。 これから来る人に 不安を抱かせたくないという人もいるが 藁をもつかむ気持ちで 情報を探している人にとっては ある意味 詐欺とも言える。
これから行く医者が たいへんなヤブと知っていて 「いい先生よ」というのは 優しさなんだろうか? 相 手の身を思うより 自分が良い顔をしたいだけとは 言えないだろうか? 何より 嘘に近い情報を教えられて あなたは うれしいだろうか?
作り上げた駐妻偶像を 他人に見せびらかし 自分もその幻を演じたければ やればいい。 しかし わたしは 事実を知りたい人に 本当の海外生活のありようを 届けたいと思う。
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