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駐在妻の掟(3)新入り駐妻が好かれるコツ

 
 
 
駐在妻にとって 最大のニュースは 
アメリカの大統領選挙でも 日本の芸能人のスキャンダルでもない。 
 
 
 
 
 
近所に 新しい日本人が 来ることである。
 
 
 
 
たいして代わり映えのしない毎日で こんなに彼女たちを興奮させるニュースはない。
 
 
 
 
新入りが 引っ越して来る はるか以前から 
駐妻たちは 情報収集に余念がない。
びっくりするぐらい細かな情報が 駐妻たちの間を駆け巡る。
 
 
 
 
 
「 主人から聞いたんだけど 今度の 後任の人には 小学生が二人。
  5年生と 3年生の女の子がいるんだって。」
 
「 今 住宅を探しているみたいだけど この辺に決めたみたいよ 」
 
「 今朝 うちのアパートに 引越しのトラックが止まっていて 
  日本人らしい人たちが 出入りしていたのよね。」
 
「 昨日 学校の事務所に来ていた人がいたわよ。 
  2年生ぐらいの男の子を連れたから 同じクラスになるかも・・・」
 
「 駅前で 日本語をしゃべっている 見慣れない親子をみたんだけど 
  あれって @@会社で今度来た 齋藤さんじゃないかな? 」
 
 
 
 
あなたが 「はじめまして」と あいさつする前に 
周囲は とっくの昔に 家族構成や勤務先、出身地などを 把握している。
なかには すでに 日本での社宅生活で 奥さん同士が知り合いというケースもあり、「 今度こられる方は 明るくて いい方よ・・・ お子さんは 中学生のお兄ちゃんと 5年生の女の子がいてね・・・ 奥さんの趣味はパン作り 」と 詳しい情報が 他のメンバーにも 伝えられる。
 
 
 
みんな 少しでも 新しく来る人のことを知りたいと 必死。
1分1秒早く知ったからと言って何があるわけでもないが 
そのぐらい話題に 飢えていると言えるのかもしれない。
 
 
いよいよ新入りが引っ越してくると 事前に知っている情報はおくびにも出さず
誰もが 3つの質問をする。
これに どう答えるかによって 新入りの「ランク」が決まる。
 
 
 
その1、 駐在は 何回目ですか?
 
 
海外生活が初めてという人がいれば 駐在妻の中には 何度も海外生活を経験していて、結婚以来 日本で暮らした期間の方が 短いという人もいる。
やはり 場数を踏んでいれば それだけ 海外生活や 新しい環境に入っていくことにも慣れているわけだから 新入りだからといって 迂闊に「下」扱いはできない。まずは 駐在経験の有無から 聞き出しておくのが重要だ。
 
その際 海外生活経験が豊富といっても商社、銀行員は 平民扱いだが これが 外務省勤務となると ワンランクアップする。 海外での外務省職員は パスポートや車のナンバープレートの色からして違い 駐妻の間でも 別格扱いだ。 ただし これが 領事館や地方公務員となると とたんに平民扱いされる。
 
 
しかし 「平民」で駐在2か国目といっても まだ 油断はならない。
 
次の質問。
 
 
 
その2、 英語はできますか?
 
 
駐在妻の9割以上は 英語で苦労している。
ただ 最近は 駐在が初めてでも 海外でホームステイや語学留学した経験があったり そもそも語学が得意という人が いないわけでもない。
本音をいえば 英語がしゃべれます、なんて話は聞きたくない。
できれば 「英語は全然ダメで」 とか 「英語アレルギーなんです」と 
泣きそうな顔で 言ってもらえると 古株は 同情しつつも たいそう喜ぶ。
 
 
そして 「わたしも英語は苦労しているのよ~」と 眉間にしわを寄せつつ、 自分より「下」の人間がやってきた 興奮を押し殺して とどめの質問。
 
 
 
その3、 運転はできますか?
 
 
 
日本の女性は 車という文明の力を使おうという気がなく、
自動車に乗るときは 後部座席か 助手席に座っていればいいという教育を
受けてきている。
従って 世界的な自動車メーカーが居並ぶ国であるにも関わらず
「運転ができない」「苦手」「ペーパードライバー」という女性が 本当に多い。
 
 
アメリカは 英語ができなくても生活できるが 運転ができなければ 命に係わる。 とにかく 駐在でやってきて 海外生活が初めてだわ 英語はできないは 運転もできないとなれば それは ヘレンケラーも同然。 
生活が落ち着くまで かなりの苦労を 強いられるだろう。
 
 
ちなみにアメリカ人の前で 「私は車の運転ができない」なんて言うと 
かなり貧しい家庭の出身か ちょっと頭がおかしいんじゃないかと思われる。
日本で 切符の買い方がわからないとか、自転車に乗れないと言っているようなものだから。
 
 
 
しかし これこそが 日本人駐在妻社会で 好かれる条件でもある。
 
 
 
「まぁ それは大変!」といいながらも たいていの駐妻は 
自分自身も当初は 三重苦生活だったことを 思い出す。 
数年生活して 運転は やっと近所の店に 行けるようになった程度。 
今でも 高速道路は怖いし 滅多に使わない。 
英語は スーパーでのレジのやり取り程度なら なんとか聞き取れるようになったが、
当然 今も 苦労していて 進歩のない自分がふがいないと思っている。
 
 
 
そんな中、こうして新入りが来て かつての自分のみじめな状態を 再現してくれると
「こんな私でも 少しは 進歩したんだわ」と 自分の成長ぶりを実感することができる。
駐妻の 自己評価が高まるのは この瞬間しかない。
 
 
 
しかし 英語ができないのは全く構わないが 運転ができないのは ほかの駐妻にとって 困ることもある。 家が近かったり 子供が同学年だったりすると 送り迎えや 買い物の世話をしてやらなければならない。
 
 
 
賢い駐妻は 3つ目の質問の答えを聞くと同時に 「私も運転が下手だったから苦労したし 今も とても人様を乗せられるような状態じゃないのよ」と 先手を打っておくのを忘れない。 たまに 車に乗せてやるのはいいが、常に運転手がわりをさせられるのは まっぴらだから。
 
 
その一方で 「よかったら 買い物に行くので 一緒に行きませんか?」と 自ら あちこちに連れていくことを提案してくれる妻もいる。 純粋に好意で言ってくれている人もいるが、これをきっかけに 主導権を握られ そこから ずっと 「主従関係」が続く場合もある。
 
 
 
 
アゴで使われるのは嫌だけど 頼ってきてほしい、いろいろ尋ねてほしい、
自分と同じぐらい いや それ以上 苦労している姿を見せてほしい。
 
 
 
たいていの駐妻は 特別な努力をしなくても みじめな状態からスタートするのだけど その見せ方は 悲惨すぎてもいけないし クールすぎても 周りは面白くない。
 
 
いつまでも 暗い顔して 文句ばかり言う人は こちらまで暗くなりそうで嫌われるし、
昔 ホームステイして楽しかったので 海外で暮らすのを夢見てたんです!なんて キラキラした瞳で のたまう女は 鬱陶しがられること この上ない。
 
 
 
駐妻たちの 女心は 複雑なのだ。
 
 
 
とにかく あなたが 駐在生活をどのように スタートさせるか、
まわりは かたずをのんで 見守っている。
 
 
人間関係、第一印象が 大事なのは どこでも同じ。
 
 
最初から 「何となく 気に食わない」なんて お局さまに目をつけられないように 
くれぐれも お気を付けあそばせ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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ニューヨーク駐在生活ありのまま

http://blogs.yahoo.co.jp/sabenukey

主婦ジャーナリストがホンネで綴るNY郊外の駐在生活。爆笑記事から泣ける記事まで アメリカと日本の「今」が分かります。

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