15日(火)曇り。終日アラブとイスラエルに関する資料を読んだ。読めば読むほど理解しがたいことが次々と出てくる。私のこの件に関する知識は実に頼りなく、マホメット(今はムハンマドが一般的らしい)やコーランを拾い読みした程度のものだ。
ムハンマド(我々の世代ではモハメッドとかマホメットと言った)はアラビア半島の(現在のサウジアラビア)メッカに570年頃生まれた。従って、仏教の祖・釈迦よりおよそ1000年後、キリストから570年後ということになる。彼は釈迦もキリストも知っていただろう。
3人の人生は神がかり的な伝説に彩られてはいるが、私はその存在を疑ったことはない。何より3人の残した宗教は世界3大宗教として大きな影響を人類に及ぼし続けているわけだから、好き嫌いに関わりなく、理解をしようとすることは大切だと思っている。
キリストは生涯独身で処刑されてしまったが、結婚を否定したわけではなかった。釈迦は結婚し、一子をもうけたが、29歳で出家しているから家族は捨てたということか。ムハンマドは11人の妻と3人の側室がいた。このことも一夫多妻を容認する根拠となっている。
3人とも生まれ故郷では受け入れられず、むしろ迫害され、国外、キリスト教は欧米に、仏教はインドやアジアに、イスラム教は北アフリカや中近東にと広がった点で共通している。さらに共通点を探せば、当初は辻説法であり、教会、寺院、モスクなどなかった。
ムハンマドは神でも神の子でもなく、神の使徒、最後にして最大の預言者と位置付けられている。他の宗教に聖書や仏典があるように、イスラム教にはコーラン(これも正確にはアル=クルアーン)がある。その他彼の後継者の言葉を集めたハデイースも聖典もある。
アラブとイスラエルの対立の根本の一つにエルサレム問題がある。厄介なことにユダヤ、キリスト、イスラム教徒にとってエルサレムは共通の聖地とされていることがある。エルサレムはユダヤ人にとってはBC1000年のユダ王国の首都であり、イエス・キリスト誕生、処刑、復活の聖地であり、イスラム教徒はムハンマドが昇天した聖地だと信じている。
イスラム教が私たちにわかりにくいのは、その信仰の根幹にある6信5行にある。6信とは神(アッラー)天使、啓典、使徒、来世、定命の6つ。「神の他に神なし」「ムハンマドは神の使徒なり」が独善的と見えること。5行つまり、信仰告白(一日5回のお祈り)、礼拝、喜捨、断食、巡礼(ハジ)が国際化された現在の社会の中で、さまざまな軋轢を生む原因になっているとは疑いない。次号に譲るが、男女関係についての彼らの考えなどは到底我々の理解を超えるものがある。
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