暫く前は随分騒がれたガソリン価格ですが,最近はめっきり報道がありません.
暫定税率の話はどうなったんでしたっけ?
ニュージーランドでもガソリンはやっぱり高く,レギュラー1L:1.75ドル(110円)ぐらいです.
ご存じの様に,ガソリン原価部分を上下させているのはNYの原油先物市場価格ですが,
数年前にはこの先物価格の高騰が話題となり,よく株式市場から逃げた資金が先物市場に流入した為であると言われました.
しかし,これは本当でしょうか? 実は日本国内ではそれほど問題になっていませんが,
欧米では石油埋蔵量の減少に対する不安も価格高騰に影響していると言う人も少なくありません.
さて,石油埋蔵量は,僕らの親が子供の頃からあと残り40年?と言われてきたらしいですが,その後無くなったとは聞きません.それは常に新たな油田が見つかり続けてきたからです.
つまり,これまでは世界が消費する石油量に対して新たに見つかる埋蔵石油量が常に上回ってきたのです.このままならば石油埋蔵量は増えこそすれ,減ることはありません.
一方,もし世界の消費量が発見埋蔵石油量を超えるとすると,石油資源は枯渇に向かって進むことになります.
このポイントをピークオイルと言います
ここで問題なのは,ピークオイルはいつ来るのか? です.
実は,意見が大きく分かれている様です.
世界動向に影響力のある欧米の経済学者の多くは,ピークオイルは当面来ないとしています.
根拠は,簡単に言うと世界の多くの地域ではまだ石油探査の余地が残されているからです.
政府の中枢におられる方も,この意見を受け入れている様です.
参考図書「石油を読む—地政学的発想を超えて」
一方,地質学者の一部はピークオイルが間近に迫っていると考えています.
根拠は,既に石油の大規模埋蔵が有望な場所での調査は終わってしまい,最近見つかるのは小さい油田ばかりだからです.
極端な意見では,既にピークオイルを通過したとする人もいます.
個人的には,深海域やタブーとも言える北極海などが未調査域として残っていますし,まだ多少猶予があるかなと思っています.
さて,石油と言うのは最後の一滴まで一気に使える訳ではありません.
なぜかと言うと,お風呂の栓を抜いたときの事を考えると分かると思いますが,
お湯が残り少なくなると,流出速度が遅くなります.
つまり,ピークオイルを過ぎた後は産油量がどんどん減り,最後はゆっくり枯渇します.
従って,ある程度まで埋蔵石油量が減ってくると経済的には成り立たなくなります.
このポイントまで,ピークオイル後に何年で到達するかは分かりません.
ただ,一旦ピークオイルを過ぎてしまえば,現時点の様に燃料・材料・発電の三大事業の全てに石油を使える時間はあまり残されていないでしょう.
個人的には,まず発電,次に燃料の順で他の資源・手法にシフトする必要が出てくると思います.
材料分野での代替え素材を探すのが最も難しそうですから.
実は,ウラン鉱床も既に残りの採鉱可能年数が報告されていて,それほど長くは持ちません.
地球温暖化の問題もありますが,資源の面からみても,化石燃料への依存体質から抜けていかないとなりませんね.
僕らが60~70才になったとき,娘が大人になったとき,世界はどうなっているんでしょうか.
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