日曜日は多くのヨーロッパの国と同樣、フランスのお店は営業していない。
ブザンソンでは、カフェさえも殆ど閉まっている。
そんな日曜日にフランス人たちは、家族でのんびり過ごしたり、ホームパーティをする。
私達家族は、親しい人々ができてくるとホームパーティに招待されるようになった。
同じアパルトマン内の家族、ジュリエットの家や、隣のお医者さん夫婦など。
隣の奥さんは小児科のお医者さんだったから、みみが中耳炎になった時も自宅ですぐに診てくれた。
自宅で注射を打ってくれたこともあったのだけど、フランスはまずワクチンを用意してから(薬局で購入)お医者さんにお願いするということになっているらしく、
「ワクチンを出してください。」と言われた私は
「???」
しばらくして、2人で顔を見合わせて、笑った。
なんか、分からないけど、日本とフランス、システムが違うらしい!って。
彼らは、とても気軽に誘ってくれる家族だった。
みみのクラスメイトのの家族も。
送り迎え時に
「実は、私はあなたの国に行ったことがあるのですよ。」
と話しかけてきてくれたルーのパパ。
みみは、この家にもよく泊りに行ったし、私達はホームパーティもした。
私の習い事を通じて知り合った人々も・・・。
私達は、花かワインを持参して訪れる(このためか、花屋さんだけは日曜日も営業している)。
フランス式おもてなしというのは、だいたい流れが決まっている。
まずは、食前酒とピーナッツ類だけでおしゃべり。
これを合わせてアペリティフ(くだけた言い方でアペロ)と言う。
結構長いあいだおしゃべりは続く。
それから前菜とワインが出てきて・・そしてメインが出てきて、もうお腹いっぱい!!というところに数種類のチーズが出てくる。
ブザンソンのホームパーティに必ず出てくるチーズは、もちろん“コンテ”。
ここフランシュコンテ地方のチーズだ。
コンテは日本でも人気があるが、日本でよく見かけるのは、熟成6ヶ月、12ヶ月、18ヶ月くらいが主。
(銀座プランタンで24ヶ月をみたことがあるが!)
しかし、私達が食べていたのは30ヶ月以上ものだ。(最高で42ヶ月を食べた!)
これは、パリでもなかなか手に入らない。
熟成が進むと味は濃厚になって、深みが増す。
濃厚なものに慣れると12ヶ月、18ヶ月では物足りなくなってくる。
この地方の名産ヴァン ジョーヌ(黄色ワイン)もガンガン飲んで、そしてデザートだ。
ヴァンジョーヌは620mlのクラブランという変わった形のボトルに入っていて、50年は持つと言われる。
デザートももちろん手作り。
手は抜かない。
こういったホームパーティが終るのは夕食の場合、だいたい夜中の12時を過ぎる。
招待されたら、今度は我が家にもお招きする。
私はSoiree japonaise(日本の夜)を演出した。
食前酒に梅酒は好評だった。
熱燗も珍しがられた。
そして、日本が誇る“寿司”を!
私は全くフランスでいくつ寿司を握っただろう。
ねたは限られるが、工夫して軍艦巻きも。
「日本人は小さい頃からお母さんに寿司の作り方を習うの?」
の問いには苦笑い。
「実は、フランスに来て初めて作ったわ!」