白いお家はバール、そして隣の黄色いお家はお肉屋さん。
我が家のすぐ近くのこの2軒。
特にお肉屋さんの前を花と散歩するのを
ちょっと差し控えている最近。
たいていお肉屋さんの前にくると
一歩も動こうとしない花子さんなのだけれど
たまたまお肉屋さんのおじさんがお店の前に出ていたとき
じっと肉を見つめる花を見て
おじさん一言、
「ちょっとまっててね~」
と言い残し店に入ったかと思うと
ミンチ用の機械から牛ミンチを引いて
「はい、あげるよ」
と引き立ての生牛肉の塊を
道に「ポイっ!!」と投げてくれたのでした…
おじさん、親切でやってくれたことだし
「私の犬は生肉はちょっと…しかも道に置いたものも…」
とはとうてい言いにくく
花がミンチめがけて飛びつく寸前に
お肉を道から拾い上げて
「わっ私があげてみますね」と作り笑顔…
おじさんの手前、
花にその肉をあげないわけにもいかず
手のひらに掴んでいたお肉の
ほんのほんのかすかな匂いだけでも
指につけて花にあげる「フリ」をして。
花にとってみれば
「その手の中にあるものくださいなぁ~~」と
なるのも当然で
「く~ん、く~ん」なきだしちゃって。
おじさん一言。
「あれ~?大体ミンチをあげるとみんな大人しくなるんだけどね~
もうちょっとあげようか?」
とまた店の奥に入ろうとしてくれたのを必死で止めて
もちろん丁寧に丁寧にお礼を言って
手にはミンチを握りしめたまま
一目散に家へともどったのでした
たぶん。
生肉を一度も食べたことのない花が
あの時おじさんがくれたミートボール1個ぐらいの量を
初めて口にしたからと言って
どうなることでもなかったかもしれないけれど
毎食お腹の調子とか体調に気を付けて
食事を手作りしているだけに
やっぱりおじさんのご厚意は
今は気持ちだけありがたく頂くことしておいて
よかったのだと思うことにして。
でもやっぱりあの後から何~となく
おじさんの肉屋さんの前を花とゆっくりお散歩できない
飼い主なのでした…
こうして犬生初の生肉を食べそびれたお嬢様。
今日の晩御飯も圧力鍋で軟骨までやわらかくなった
丸鶏でございます
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