私は仕事をしながら通学しているが、この時期は冬のCo-Opの仕事を探している学生も多い。クラスメートのTもその1人だ。
「カオル、全然仕事が見つからない。どうしたらいいの~?!」
彼女は夏からCo-Opに応募しているのにも関わらず全然仕事が決まらずかなり落ち込んでいる。私と同様会計専攻なので会計事務所を中心に探しているのだが、書類選考もなかなか通過しないそうだ。
彼女は私にCo-Opの掲示板を見せてくれた。(Co-Op関連記事に書いたがCamosunではCo-Opプログラムに登録した学生はCIMSと呼ばれるシステムにログインすることでCo-Opプログラムに募集の出た仕事をチェックできる)
例年だと今頃の時期は多くの会計事務所が年明けからの納税申告書類の作成やその補助のために募集をかけている。私は去年Co-Opプログラムに登録したので去年の今頃はよく掲示板をチェックしていた。Tに見せてもらった掲示板に載っているCo-Opの仕事の中で会計関連の募集は去年と比べると少し減ったような気がした。
「T、去年より会計事務所の募集が少なくなっている気がする」
「そうなんだ~。あ、ここ応募したところ。今ステータスがインタビューになっているでしょ。書類選考に通らなかったんだよね。あと、ここはまだ書類選考中なんだけどね、ほら(応募した学生のリストを見せながら)たくさん応募しているから厳しいだろうな」
掲示板の募集を指差しながら応募状況を説明してくれるTの横で一緒に見ていたら、ある会社に目が留まった。
「T、ここは応募したの?私去年ここに応募したよ。書類選考でだめだったけど。」
Tは私が指したところにあった会社名を見て首を振った。
「ああ、そこね。そこは応募しなかったの」
「どうして?勤務地はダウンタウンで通勤も大変じゃないし、見たところ特別な条件もついてないみたいだけど」
「そこさあ、前回の納税申告時期のCo-Opワークタームで私の友達が働いたのよ。でもね、残業代を全く払ってくれなかったんだって。」
「え、残業代を払わないなんてひどいね。でもCo-Op経由で見つけた仕事だったら、Co-Opプログラムの担当者に話せばどうにかなるんじゃないの?」
「結局どうなったかわからないんだよね。でもそんな情報を聞くと応募する気もなくなるわ」
私もTもCamosunでのビジネスプログラムの授業は3年目になり、周囲に既にCo-Opを経験した人もそれなりにいていろいろな情報が入ってくる。クラスメートの1人Aも私同様前回の冬のCo-Opで仕事を見つけたのだが、その職場が最低でストレスが溜まりまくったと言っていた。その仕事は今年も募集がかかっているが、Aからその会社の話を聞いたTはもちろん応募しなかった。
他校のことはわからないのだが、CamosunのCo-Opプログラムでは募集をかける企業・団体の「Prescreen(事前選別)」は行わないので掲示板に掲載される仕事は待遇も含めて玉石混淆だ。そして学生側に募集内容を含めて情報を確認する責任があるため、クラスメートや友人からの情報はありがたい。
学年があがるにつれて周囲から入る情報は増えてくる。問題がありそうな仕事への応募を避けられるメリットがある反面、入ってきた情報に振り回されて応募をためらうデメリットも出てくる。残業代を払わないというその会社は従業員を大切にしない体質なのかもしれないが、もしかしたら提示した給与が多少の残業も含めての設定だったのかもしれない。職場の雰囲気や仕事内容の情報にしても友人やクラスメートには向いてなくても自分に向いている可能性もあるしその逆も然りだ。例えば私の場合だが、Hが最初に雇った学生はHの事務所には向いてなかった。当の学生もそうだが雇っているHもつらい思いをしたらしい。だが私はその学生がつらかったことが全然苦ではなかった。(Hが私の様子を見て「向き、不向きってあるのよねえ」と感慨深そうに言ったのを覚えている。)
「悪い情報を知らなくて入った後から嫌な思いをするのもつらいし、かと言っていろいろ情報が入ってくることで迷いが出るのもそれはそれでつらいのよね。早く仕事を見つけたいのに。」
とTはため息をついている。情報収集もそうだが、入手した情報をどのように消化するかはCo-Opでの仕事探しではとても重要だなとつくづく思う。
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