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指導法

土曜日、日曜日とアメリカ人友人Mちゃんが教えている音楽教室の臨時講師として

アメリカ人生徒のピアノとバイオリン指導へ行ってきました。

土曜日、4人
日曜日8人

ピアノ5人
バイオリン7人

今まで講師にあたった事があるアメリカ人は数人で、二日間で12人ものアメリカ人の指導に当たるのは初めてで少し緊張していました。

比較的良い子達でしたが、

1日臨時講師というのは本当に大変だと痛感しました。

DSCN2066














今までの指導経験からですが、
各個人の能力は異なり、同じ事をきちんと教えてもできる生徒、できない生徒がいるのは熟知しているつもりです。

指示して、すぐにできる子、時間がかかる子。
そのため、先生は基本指導法からその子にあった指導法を考える。

というのが私のモットーなのですが、

今回の臨時指導では、友人の指導法に沢山の疑問を持ちました。
私も修行中の身であって、私の考えがすべて正しいわけでもありませんが、それでも「これは間違っているのではないか。。」と思いました。。。。

ある男の子の、鈴木1巻最後のガボット。
私が今までで聞いた事のない酷さ。
100%音程がはずれながら(正しい音が一つもない)、速くばかり弾いていて(猛スピード)、音が汚い。。。

耳を押さえたいほど。。。

もちろん、弓もめちゃくちゃに曲がり、音を押さえる側の左手もバイオリンのネックにくっついたまま。
正直こんなに酷く弾く生徒は私にはいません。

男の子に聞いてみると、「2年半バイオリンをしている。。」そうで
友人は、「2巻に行く準備ができている。」って言っていたけど、
私は2巻どころではない。。と思いました。
結構反発的な男の子で(たぶん小学2年生ぐらい)、友人が注意しても直さないのかもしれませんが、それにしても酷過ぎる。

頭が良い子のようで、私が「そこは、高い2番!低い2番!」って言うと、
すぐに直す。
もう少し良い指導法をしたら、その子はもう少し成長するのではないか。。と思いました。

そして次の疑問が、

生徒達は、教本を1冊しか勉強していないという事。
鈴木だけ。。。なんの補助教材も勉強していない。
始めたばかりの生徒や、4~5歳の生徒なら理解できるのですが、
小学生高学年、中学生、高校生が
基本のスケール練習(音階)や他の練習曲もしないで、
なぜに?バイオリンが弾ける様になるのでしょうか。。。
よっぽど耳が良い子であれば、なんとか器用に弾けるのでしょうが、

バイオリンは、まずピアノの様な鍵盤を自分たちの左指で作って行かなければいけないんです。
鈴木だけの、楽しい曲だけでは無理です。

私の生徒にだって、音階、練習曲の課題を毎回渡しても
間違った調を練習して来たり、
間違った音を弾いて来たり
弓がすっちゃかめっちゃか曲がったり
弓の持ち方が変だったり
姿勢が変だったり
するんです。
間違って練習して来た事を先生は、直す。
その繰り返しで、不器用な子でもいつかある程度の正しい音が弾ける様になったり、変な癖が直ったりします。

特に、音階は課題曲よりもシンプルなので音階を弾きながら、
音程を直したり(左手の関係を考えたり)
姿勢を直したり
左手の形を直したり
弓の動きを直したり
他にも色々とお勉強する事ができます。


更に疑問が、

4歳~7歳の子が、先生と二人だけでレッスンをする事ができるのでしょうか。。。
ある4歳男子の母親がいつもの事でしょう、
男の子とレッスン室に入って来ようとしませんでした。

男の子は、「ママ!ここの椅子で待っててね!」と(レッスン室の外側)。

私は、「息子さんはいくつですか?」と聞くと
「もうすぐ5歳になります。」という事は4歳なんですよ!!!

私は、「私のレッスンでは一緒にレッスンに着いていて下さい。この年齢で1人のレッスンは難しいので。」とレッスンに一緒にいてもらいました。

私が説明する事を、男の子、そしてママにも説明する。
一緒にレッスンを受けてもらうのが原則です。
もちろん、彼の集中力は5分ともたないので、バイオリンは短く。
他の音楽遊び(リズムや音)をさせます。
母親も練習室に一緒にいる事で、レッスン経過を肌身に感じる事ができます。

私のスタジオではまず、4歳の子はバイオリンの生徒として基本的に受け入れません。
6歳ぐらいがバイオリンを始める平均的な適切年齢だと思います。
それでもどうしても、バイオリンをお勉強させたいというご両親であれば、

まず私と一緒に、初めにピアノを始める事(ピアノのレッスンで落ち着きなどを観察してから、私がバイオリンを始められる時期を判断します)。

ピアノと併合して、リズムや音をお勉強したりします。
そうする事によって、後でバイオリンにスイッチし易くなります。

*もちろん例外もあります。
母親がバイオリンを弾ける。
母親が一緒にバイオリンを習う。
生徒がピアノをお勉強している(それにしても、4歳で両方お勉強するのは大変です)。

4~5歳児は特に、母親がレッスンや自宅練習で協力的になってくれる事が原則で、生徒の受け入れをしています。(それが難しいのであれば6歳ぐらいまで待ってもらいます)
私の経験では、私の4~5歳児の母親達は協力的な方が多くレッスンもスムーズに行ってきました



そしてまた驚いたのが、
肩当てを持って来ない生徒が数人以上

首が短く、肩当てを必要としない生徒もいますが、バイオリンの背中に何もつけていないと、ツルツル滑ってバイオリンを肩に置きづらいのです。
最低でも、布などを当てて欲しいのですが。

松やにも(バイオリンの弓につけるもの)、持って来ていないではないですか。。。

先生は、最低限生徒に
「レッスンを始める前の心得」と教えるべきだと思いました。


もちろんの事、彼ら(私の友人の生徒)が私のレッスンに来ても必ず「巧くなる」と言う保証はありませんが、もう少しマシになるのではないかと思いました。

たかが1回のレッスンでは限界があります。
でも、アメリカ人は比較的のんびりしているので
厳しい先生は嫌なのかもしれませんね。
私としては、厳しいとは思いませんが。。
最低限の事を言っているだけと思うんです。。。
お金を頂いているので、いい加減な事は教えたくありません。

もちろん、アメリカ人にも素晴らしい先生は沢山いますが (私のこちらでの先生は素晴しい方ばかりです)、

安いレッスン料だからと言ってそこで勉強すると、
それなりの事しかお勉強できない事が多いと思います。
先生選びは要注意して欲しいと思いました。
日本でも同じでしょうか?

自分たちの子に投資しているのだし。。
子供達が、バイオリニスト、ピアニストになるわけでなくても、
彼らは正しい事を学ぶ権利があると思うのです。

私のピアノ講師の友人が口にしてたのを痛感しました。
「アメリカ人の先生から来た子は、驚くほどに基本がなってない。
ただ、楽しく弾く!って教えてるだけで、私は苦労する。。」

あと今回勉強しましたが、
ピアノとバイオリンの初心者を教えるにあたって、
バイオリンの方が断然、指導するのが大変だと知りました。

ピアノは座って弾けます。
もちろん、正しい手の形や指、腕などの動かし方、は簡単に教える事ができませんが、
バイオリンは、
立って弾く(足の位置、バイオリンのポジション)のが大変で、
左右の手が違った複雑な動きをします。
ピアノのような鍵盤(初心者は指板にテープを付けていても、見づらい)はありません。

そのため、昨日のバイオリン指導は苦労しました('A`|||)
Mちゃんは私の友人で、今後の関係を考慮して彼女の指導法にケチ付けるつもりはありません。。
もちろん臨時講師として私を頼ってくれたので嬉しい事ですが、


私も、
人の振り見て、我が振り直せ

をココロシて

指導をがんばっていきたいです。

今回は、本当に勉強になりました。




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