海外に住んでいる中学生がいちばん気になるのが「帰国後の高校受験」ではないでしょうか?
ウチも、帰国時期は決まっていなかったものの、日本の高校に入れたいと思っていろいろ準備をしていました。
帰国子女受験の中で、いちばん子女枠の恩恵が受けられない受験が高校受験だといわれています。
中学受験も楽ではありませんが、高校受験の場合、義務教育じゃないので後がない。
高校受験をするにしても、編入をするにしても、ほとんどの場合学力試験があります。
日本人学校に通っている場合は、日本と同じ学習指導要綱になっていますが、ウチのように海外現地校+補習校の場合は早めの準備が必要です。
などを、実際に海外から日本の高校受験を経験した私が、赤裸々にご紹介していきたいと思います。
また、同時期に中学受験をした下の子についても、別記事でご紹介しているので、兄弟姉妹がいる方はぜひ参考にしてください。
まずやっておいたほうがいいことは、自分の実力を知ること。
それをもとに、行きたい学校を決めること。
この2つ。
受験準備は、早ければ早いほど、余裕をもって準備をすることができます。
準備に余裕があれば、今よりもワンランク上の学校を狙うことも可能です。
海外の日本人学校に行っている場合、定期テストなどで得意不得意がだいたいわかると思います。
ただ、現地校+補習校の場合、日本とは別のカリキュラムで習っているので、一度は「だいたいの偏差値」を調べてみることをお勧めします。
また、帰国時期が決まっていない、どこに帰るかわからないという場合は、思い切って子どもだけ帰国させるという選択も。
中途半端に編入するよりも、帰国子女受け入れのある寮のある学校に入れたほうが馴染みやすいんじゃないでしょうか?
帰国受験を意識したら、まずはなんとなくでいいので、どんな学校に通いたいのかを意識しておく必要があります。
目標が定まれば、それに向かってやることが明確になっていきますよ。
高校受験に中1って早いんじゃないの?
と思う方も多いんですが、海外にいる場合いつ何が起こるかわからないので早めの準備が必要です。
とはいえ、中1でやっておきたいことは、小学校〜今までの復習です。
もし、将来理系に進みたいなら、理科もやっておくことをお勧めします。高校に入ってから物理・生物・化学など急に習うとかなり大変だったので、基礎は時間のある中1のうちに。
日本人学校に通っている場合は、日本のカリキュラムと同等な学習をしてきていますが、海外の現地校に通っている場合、必ず「習っていない箇所」があります。
そこをどうやって見つけるのかが結構難しい。
例えば、因数分解ができない場合、因数分解の問題を闇雲に解けばいいというものではありません。
実は、分数の計算が理解できていないとか、乗数の概念がわかっていなかったりとか、計算の順番がわかっていなかったりとか、そもそも文章の意味を理解できていなかったりとか、いろんな原因が絡み合って「できない」が作られているんです。
これに関しては、素人が個人で対処するのはものすごく大変です。
中1であれば、「無学年学習」ができる通信教育をしっかりやること。
普通の通信教育は、その学年のその月の教材が送られてくるので、どこまでもさかのぼってわからない所を見つけて学習するのには向いていません。
また、補習校の場合、理科と社会がかなり手薄になります。
ほとんどの単元はやっていないことが多いので、通信教育でカバーしましょう。
海外で通新教育をするなら、タブレット学習ができるもの、できれば専用タブレットではなく、海外でも入手可能なiPad利用のできるものがベスト。
中1の間1年間で、小学校からの総復習と基礎固めをしっかりやりましょう。
この時期に先取り学習はやらなくても大丈夫です。
中学2年生の1年間では、中1からの復習と基礎固めを継続します。
AIが搭載されている無学年学習の教材を使っていれば、得意なところは自然と先取りできているので、どんどん進めていきましょう。
また、中2って結構中途半端な時期なので、受験のモチベーションも下がったり、一人で受験勉強をするのは不安になる時期かもしれません。
そんな時は、通信教育よりもオンライン家庭教師を利用してみることをお勧めします。
その場合の選び方は、
海外受講の実績がある受験に強いこの二つを目安に選んでください。
さらに中2では英語資格の強化をお勧めします。
英検は年3回。
中3の夏までに目的の級数が取れるように、余裕を持った目標を立ててください。
級数が上がればそれだけ1発合格が難しくなってきます。
1度や2度落ちても大丈夫なくらいの余裕をもって、試験の計画を立てましょう。
例えば、ICU高校や同志社国際高等学校といった帰国子女のための学校を推薦で受けるのであれば、英検準1級以上は取っておきたい。
それ以外の学校でも、帰国子女枠で入試を考えているのであれば、英検2級は取っておきたいところ。
高校入試で帰国子女枠を利用して、大学は一般受験をしようと考えている場合でも、英語資格を持っていれば「総合型選抜(旧AO入試)を利用して大学受験をすることもできるので、早めに取っておいても損はありません。
普段ペラペラと英語を話しているから英検なんて楽勝と思ってしまう人もいますが、会話ができることと試験で点数が取れることはイコールではありません。
逆に、英語試験の勉強をすることで英語4技能(Listening・Speaking・Reading・Writing)がまんべんなく強化されていきます。
英検2級以上になってくると、長文・英作文の攻略が一つのカギ。
ウチは準1級をニューヨークで受けましたが、1度落ちています…遠くまで行って落ちるとめちゃくちゃ落ち込む…
自分一人で勉強するよりも、短期集中でいいので、英検専用のスクールに入るのがベストです。
ウチも2度目はスクールで英作文を中心に指導してもらって無事合格しました。
海外の英検公開会場はロンドン・ニューヨーク・ロサンゼルス・ホノルルの4か所。
それ以外に、英検協会が認めた「海外特別準会場」が各地にあります。
海外特別準会場は、日本人学校や日本人会などが主体となっていることが多いので、問い合わせをしてみてください。
ただ、1級・準1級に関しては公開会場のみの受付になります。
1次試験は海外で、2次試験は日本でという人も結構多いですよ。
近くに公開会場が無い場合、一時帰国に合わせて受験するのも一つの手かもしれません。
実はこの時期に志望校別の対策問題集を山ほど買い漁ったのですが、8割以上使いませんでした。
志望校別の対策問題集は、志望校がしっかりと決まった後で取り寄せても遅くありません。
中学3年生でやっておきたい受験準備…本格的な志望校攻略を中学3年生の場合、志望校に合わせた対策を取るのがベスト。
この頃には、志望校もかなり絞られてきているはずなので、学校に合った対策をしていきましょう。
高校受験の場合、国語・数学・英語の3教科+面接といったパターンの受験内容の学校がとても多いです。
それに、小論文(日本語、もしくは英語)がついてくる学校も。
もし、今住んでいるところの近くに進学塾があれば(海外だと駿台やena、東進などがあります)そこに通うのが安心です。
ただ、通塾までに30分以上かかるような場合なら、オンライン家庭教師がおすすめ。
子どもが一人で気軽に外出するのが難しい海外では、親の送り迎えってかなりの負担になりませんか?
オンライン家庭教師なら送り迎えの負担もなく、通塾時間に予習・復習することができるので一石二鳥。
マンツーマンで指導してくれるので、通信教育では得られない完全オーダーメイドカリキュラムが実現。
わからない所もすぐその場で解決することができるので、かなりコストパフォーマンスはいいと思います。
また、学校別に試験の傾向と対策も教えてくれるし、併願校の相談などもできるので、全部自分で調べる必要もありません。
受験までのラストスパートは、しっかりプロの手にお任せするのがいちばん安心・安全です。
英語だけで受験ができる高校はそれほど多くありません。
帰国生入試の場合でも、国数英3教科+英語面接とか、英語のエッセイなど何かしらの学力試験があるところが多いです。
また、英語での面接がある場合も。
必要なのは、志望校のレベルに合わせた英語資格を願書提出までに必ず取っておくこと。
英検の場合、第1回の一次試験が5月後半〜6月前半、2次試験が7月前半、成績表必着日が7月末。
第2回の一次試験が10月前半、2次試験が11月前半、成績表到着が11月末となっています。
だいたい、帰国生入試の願書提出は11月〜12月のところが多いので、第2回だとかなり危ないギリギリの線です。
また、英検のほかにTOEICなら毎月どこかでやっていることが多いので、並行して取得しておくこともおすすめしたいです。
英語資格を利用して受験することで、国内生よりも少しだけ有利になることはあります。
ただ、だからと言って英語だけに全振りしてしまうと、入学してからがとても大変。
入学後も周りと同じくらいのレベルを維持できるように、中1・中2でやってきた復習と基礎固めは続けていきましょう。
志望校のスケジュールを確認し早めに準備する受験方法や各学校でスケジュールが違ってきます。
志望校の公式サイトに必ず「受験要綱」が書かれているので、必ずチェックしておいてください。
必要な資料も各学校によって違います。
すぐに手に入らない資料などもあるので、必ず早めに準備しておいてください。
中1・中2のうちに、一時帰国したら学校見学に行きましょう。
学校によっては、イベントなどをやっているところもありますが、イベントに合わない時期に一時帰国した場合でも、見学を申し込むとたいていは受け入れてくれます。
駅からどれくらい歩くのか、廊下で会った学生の雰囲気はどんな感じか、イメージはその後のやる気にもつながるので、必ず見ておくといいですよ。
その時に、同時に調べておきたいのが、入学試験要綱。
日本と海外では卒業時期が異なることも多いので、疑問に思うことはすべて学校見学のときにクリアにしておいてください。
入学試験要綱をチェックしながら、必要な書類を準備し始めます。
ウチは、high schoolに入学してから必要書類の作成をお願いしましたが、通学日数がまだ少なすぎるのでmiddle schoolに頼んでくださいと言われて、慌ててお願いしに行きました。
夏休みから秋にかけて、現地校ではhigh schoolに通うようになっている時期です。
環境の変化もあり、宿題等も難しくなり、さらに帰国受験準備となるとかなりハードスケジュールになります。
英語資格がギリギリになるとかなり精神的な負担も大きくなるので、早めに準備しておくことをお勧めします。
11月以降に願書提出の学校が増えてくるので、海外から発送する場合のリスクなども考えて、準備してください。
また、受験の日が決まっている場合は航空券やホテルの手配も。
また、入学後にどこに住むのかなど、細々としたことを決める最終段階なので、漏れが無いように。
願書も提出して、あとは試験を待つばかり。
学校によっては、12月中に試験→結果発表という学校もあるので、かなりあわただしい日々になります。
冬の受験は交通機関の乱れや、体調の変化、それに加えて時差ボケなど、本当にハードなので、余裕をもった日程で進めましょう。
12月中に試験が終わった方は、帰国準備とつかの間の休息を。
1月・2月入試の方はもうひと頑張り。
試験が終わって結果が出たら、海外生活にやり残したことがないように、旅行に行ったりできるのもこの時期。
海外で経験したことや頑張ったことは、今後の糧となります。最後にたくさん思い出を作ってください。
また、入学後すぐに新入生テストがあるので気を抜きすぎないように。
海外からの受験準備は、情報を手に入れるところからのスタートになるので、本当にハードでした。
ウチの場合、高校受験と中学受験がダブルであったので、忙しさは倍増だったのかもしれません。
でも、1回で全部終わったので、終わった後はとてもすっきりしました。
また、ウチの場合、同じ中高一貫校の中学受験・高校受験だったので、入学後の細々としたことも同時に行うことができて助かりました。
海外入試をしている学校だったので、時差を気にせず実力を発揮できたのもよかったです。
兄弟がいる場合、兄弟と受験期間がズレるとか、別の学校に行かせるとかあると、それだけ親の負担は2倍3倍に膨れ上がります。
できるところはオンライン家庭教師などのプロに任せて、親は子供のスケジュールのサポートに徹するのがおすすめ。
親も海外からの受験・帰国子女受験ははじめてのことだと思うので、プロと相談しながら進めていくのがいいと思います。
ウチも、海外からのダブル受験は本当に大変でしたが、それ以上にものすごい経験ができたと思っています。
皆さんも、ぜひ「思い立った今から」準備を始めて、余裕をもって悔いのない受験をしてくださいね。