あーあ、非国民扱いかよ～

先日日本からニューヨークに赴任してきた方とお食事をする機会があったのですが、正直つらい一時間半でした。

僕らは先日別の会合で会ったばかりで二人でしっかり話し合うのはこれが始めて。

なのでまずお互い自己紹介から。自分のバックグラウンドややりたいこと等々。

しかし、僕の番になり僕が話し始めた数分ほどに言ったこのセリフで急に雰囲気が悪くなる。

僕が

「日本が好きだから将来は日本のために何かやりたいんだ」

ということを言った途端、先方が急に笑い出す。

は？と思った瞬間、その彼が皮肉たっぷりにこう一言。

「7年も日本国外に住んでいる方が"日本が好き"とはねぇ」

ほとんど始めて会ったばかりで、かつお互い会話を始めて15分も経っていないところでこのセリフを喰らい、カチンと来てしまい、一応終始笑顔を作って会話はしておりましたが、腹の中はグルグル状態。

その後その彼と会話を続けるにつれて改めて気づいたのが、

「僕みたいなのは『国を捨てて海外に逃げた奴』『日本ではみんながんばっているのに海外という楽なところで勝手なことをしている奴』と日本国内では思われているんだな」ということ。

なので日本人として扱われない、母国に対して意見を言ってはいけない、、、海外に長年住んでいる日本人というのはそういう風に捉えられているんだな、と寂しく思いました。日本に税金を納めていないと国民として認められないんですかね。まぁ確かにそういう決まりにはなっているっちゃーなっていますね。

彼は日本の有名大を出たエリート。非常に自分に自信のある方で、話を聞く限りでは、安定した職を捨ててまで海外の仕事を自ら探し、日本企業とはいえNY支社ということもありおそらく多数の応募者の厳しい競争をくぐり抜け内定を獲得し赴任してこられたようです。

確かに並大抵の覚悟ではそんなことはできないと思います。本当に凄いと思います。

「俺はこれから数年海外で経験を積んで将来日本に戻って国のために役立つ人間になるんだ！」という熱意もすごく伝わりました。今は形になっていなくても、彼はまだ30歳手前だし可能性もたくさんあります。素晴らしいです。その勢いでがんばって日本のために活躍して欲しいと思います。

でも、こういう日本でしっかりがんばってきた人ほど僕みたいなのは許せないのかな、と。確かに僕は彼と比べれば相当楽な人生を送っているんでしょう。逃亡者なのでしょう。しかし、何を言おうと「君が日本のことを語る資格はない」という前提で話を組み立てようとされるのはちょっと困るなぁ。

たとえ日本の国籍を持っていなくても、日本のことを本気で愛している人は幾万といるけどなぁ。
あ、僕みたいに国籍がある癖に、外に出ている奴が一番いけないのか。これは裏切り行為なのか。まぁとにかくそういう風に話を持っていかれたら反論する余地はないですよねぇ。

会話が進むにつれ、多少の誤解は解けたようではありましたが、それでもやはりよそ者は黙っててという雰囲気はひしひしと感じられ、居心地はあまり良くありませんでした。

まぁ僕のことはおいておいても、一応経験上言っておくと外国の滞在期間が長い日本人ほど母国のことを想っています。そして、短い人ほどその滞在国のことで頭がいっぱいになっています。まぁ信じないだろうけど。

しかし、そのように思われてしまうのはもちろん僕のせいもあるかなとは思ってます。
自分が「好きだ」というには、それなりの結果を見せて納得してもらわなければならないのに、今の僕にはそうさせる実力も結果もないのだからいけない。

苦笑されないよう、自分の言動に見合ったように今後もがんばっていくのみです。

さぁ働こう。