5日目は午前中にホテルを出発し、タクシーにゆられてラウトカ港へ。
今回のメイン(企画者のオット談)である船旅への出発である。はっきりいってものすごく不安だった。初体験なのでいろんなことが想像できなかったし、赤ちゃん連れで大丈夫なのか(先方はウェルカムだと言ってくれていたが、実際に食事や睡眠のお世話がうまくやれるかどうか分からなかった)
数年前に読んだ精神科医の本に「人生で一度はぜひ船旅を経験してみてもらいたい。人生観が変わる、すばらしく楽しい経験になる」とあったので、ちょっとはワクワクもしていたけれども。
まずは港のそばにある建物に到着、レセプションでチェックイン。待合室でコーヒーとミートパイを食べながら過ごす。カンカン猛烈に遊びまわり、集まったほかの乗客たちに突撃。スノーケリングのやり方や道具の使い方などのビデオを見て、キャプテンからご挨拶。バスに乗って船に向かう。ストローラーと赤ちゃんとでどうしても大荷物を抱えたままの状態になる私たち2人に全員がサポートしてくれる(有難い!)
乗船早々、人生観がさっそく変わる勢い… の船酔い。
もうダメですほんとに無理です降ろしてください陸に戻ってくださいお願いします。
そんな状態でも動き回るカンカンを追いかけ抱っこせねばならず、気持ち悪いのに低い位置にいるカンカンを凝視していたせいで酔いはさらに悪化。のちにクルーが酔い止めの薬をくれた。授乳のことは気になったがもはやそんなこと言ってられない状態だった。
おまけに天候が悪く揺れも大きい。うまく歩けなくてカンカンがちょっとキレ気味だった。一日苦しんだが次第に慣れる。
ヤサワ諸島を3日間かけてゆっくり回り、日中は島に降りてマリンアクティビティ、村の見学などをする。
オットに背負われて山登り(誰がビーチに上陸したあと山登りさせられると想像したであろうか)
なぜ体を綺麗にする場所の横にトイレがあるのか?トイレの床がびしょびしょになっていてなぜ平気なのか?シャワーを使った後の湿気ムンムンな部屋でトイレを使うのは嫌じゃないのか??私たちより欧米人の方がずっと体格がいいのに大丈夫だったんだろうか?
ぎゅうぎゅうの場所でオットにカンカンを抱っこして洗ってもらう。簡易シャワーだし狭すぎてちゃんと汚れが落としきれない。下船するまでカンカンの頭皮には白い砂が残っていた…
客室の並ぶ廊下を散歩するカンカン
さてここで3泊4日を共に過ごした乗客たちを簡単に紹介。
fromオーストラリア……陽気な熟年夫婦、ものすごーーーく裕福そうな上品なご老人夫婦2組。あまりに素敵なおばあさま達で毎日服装を見るのが楽しみだった私。そしてカンタスのCA&シドニーでハイスクールの先生をしている彼カップル。
fromニュージーランド……横綱級の肉体を誇る、気さくで親切なお母ちゃんとその妹&息子、そして再び裕福そうな上品なご老人夫婦(娘さんが日本に住んでいるらしい!しかも現在のオットと同じ職業だとか)
fromイタリア……ラッブラブのイッチャイチャのハニィムゥゥゥゥン中カップル2組。美男美女揃いで片方は巨乳(来たぜボイン子)
fromスペイン……裕福そうなおじいちゃま、おばあちゃまと孫娘。
fromネザーランド……これまた裕福そぉぉぉぉぉなご老人夫婦。
fromフランス……2歳の子供がいるというご夫婦。
fromジャパーーン(オーストラリア在住だけど、出身国で)われわれ3人。のみ(汗)
そして船生活の流れはこんな感じ。
朝6時~ 元気がある人は泳いでいいよ。
7時~ブレックファスト(食事はいずれもブッフェスタイル←ビッフェと言っても通じない…)
10時頃~モーニングティー
12時~ランチ
15時~アフタヌーンティー
19時~ディナー
食後はダンス、歌、クイズ大会(我々の英語力では参加不可能と判断し撤退)、帽子で仮装ディナー(という案内が事前に放送で流れたが、いまいち聞き取れず準備出来ず)、最後の夜はインターナショナル・コンペティション(各国のお国自慢を披露する)。
食事の時間は毎日同じで、あとは島に下りてビーチでやるか、船でやるかの違い。
天候不良でビーチでのBBQやロボが中止になり、マッサージも船内で受けた。が、正直その方が助かった…。毎度カンカンを抱えてブルーラグーン号から小さなボートに乗り(これがまた揺れる海上で超怖い)また戻ってくるのが大変な緊張感だったからだ。
ボートで島に移動
足が埋まるさらさらの砂浜…砂になる前の、細かい貝殻、サンゴです
が……2時間の時差、また違った環境のせいもあったか、カンカンがとにかく食事タイムに合わず、ぐずる。だいたい朝7時の朝食がシドニー時間で5時なんだから無理もない。ティータイムころにようやく食欲がわくようで、持参したおやつや朝食時に取り分けておいたパンケーキなどを食べさせた。
この船旅中でカンカンが唯一、特に喜んで食いついたのがシェフ特製のスパニッシュオムレツ。……誰がこんな贅沢な子に育てたのか???私が焼いた卵なんて全然食べないくせに…(ハンカチを噛みちぎる勢い)
初日から雨模様ですでにデッキから階段から全体が濡れてスリッピーになっていて、濡れるわ危ないわでヒヤヒヤしていた。カンカンは雨水で遊びたがるし、安全な柵など無いので海を覗き込もうとするカンカンを抑えるのに必死。結局最上階のサンデッキを使うことは誰もなかった…風も強かったし。本当ならそこでゆったり寝転んで、バーカウンターでフィジービールやら南国カクテルを頼んでのんびり過ごす人もいたに違いないのだけど…。
たまった雨水で遊ぶカンカンと気が気でない母ちゃん
ヤサワ諸島の海はそれはそれは綺麗だった。
曇り空でも海がエメラルドグリーンで透き通って見えて、魚もたくさんいた。ビーチにゴザを敷いて少し遊ぶも、やはり太陽が出ないと寒い。ニュージーランドの少年は毎日朝から最後までスノーケリングしまくっていたけど(さすがヤング)他はあまり海に入っていなかったような気がする。
そしてここでボイン子登場。今回はイタリアン美女、おまけに気立ても良く(オット絶賛)職業ウエディングプランナーというどこかのドラマ主人公みたいな女性である。ビキニの下側からはみ出る乳。上じゃなく下。これが語りつくせぬほどエロい(と私は思う)
そんなボインイタリアンに水着姿で抱っこされ、「かわいいわ!!」とチュウを受けるカンカンにオット羨望の眼差し。
世の中って理不尽だよな。美人で金髪で巨乳で気さくでウエディングプランナーでラブラブハネムーン1ヶ月休暇中。間逆の人間がかわいそうすぎるだろうよ(ぶさいくで貧乳で根暗でニートとかいたらどうすんの←あっ私じゃん)
最後の夜は予想通り、おばあさまたちが今までのカジュアルセレブ系ファッションから、ちょっとワンランクアップの装いになっていた。お別れディナーだからきっとそうなるだろうと思って、私も一応お気に入りのヴィヴィアン・タムのワンピースを着てみた。仮装大会のときは思い切ったおもしろ仮装をし、南国全開のワンピースとアクセサリー、花飾りをつけ、最後はクラシックな装いで現れる素敵なおばあさまたち。女性としてすごく憧れる。
そして食後はメインイベントのインターナショナル・コンペティション。
トップバッターはオーストラリア。一番人数が多いのでにぎやか。ハイスクールティーチャーの男性がギターを弾き何やらオージーソングを歌って踊る。
ニュージーランドはこれまた不思議な踊りと、2人1組になって木の枝を両手に持って歌いながら枝を打ち合わせる儀式?を女性陣、勇ましい雄たけびと歌と踊りで足を踏み鳴らす踊りを男性陣が披露。
ネザーランドはご夫婦2人だけなので、何やら奥さんが一人で歌を披露。うしろでだんなさんが照れくさそうに笑ってて可愛かった。
ラブいちゃカップル2組のイタリアチームも歌。ボイン子ちゃんが積極的に前に出る。たぶん、イタリア人ってこんな感じと皆が想像しているその通りの人たち(笑)
フランスチームは棄権。夫婦2人しかいないのと、奥さんの方がどうやら英語がまったく分からないからとのこと(うちはどうなるんだ)
スペインチームは家族3人でがんばってしゃべり、歌う。孫娘が恥ずかしそうだった。
そしてジャッパーーン!がんばれ私たち!!
オット力作の台本による、japanese SAMURAI「KINTARO(GOLDEN BOY)」の昔話と腹掛けの風習を披露。そう、カンカンが持っている金太郎の腹掛けを今まさに開放する時が来た…!腹掛けいっちょで舞台に出されるカンカン。外人拍手喝采フラッシュの嵐。日本らしくて実にいい、何よりベイビーを使うという手を隠すこともあるまい。そして3/11に起きた震災への哀悼と、世界各国からのヘルプにheartfelt thanksを述べる。
うん、述べたのは私で台本棒読みだったがもう恥ずかしがってる場合じゃない。もぞもぞして聞き取れない声でやるより堂々と読め!である。英語下手ですいませんと言ったら「
最後に日本の歌「ふるさと」(うさぎ追いしかの山~♪)の英語バージョンを歌った。
明らかに英語がそんなに分かっていない、話せない日本人ファミリーがそれでもできるだけイベントに顔を出し、カンカンを長時間抱っこしたりおんぶしたり、皆がくつろぐ横であたふたしながら頑張っていた(と思ってくれてたに違いない)様子を見ていた皆がたくさんの拍手をくれた。
最後にクルーたちによるフィジーチームが、フィジーの国旗を掲げて国歌斉唱。それにしてもフィジアンはものすごく歌がうまい!歌って踊る習慣が小さいときからあるからだろう、声量がある。初めて聞いたフィジーの国歌はとても荘厳でそれでいてどこか優しかった。
で、コンペティションの結果がキャプテンから発表される。
優勝は「歌がとてもうまく、全員ハンサムだったフィジーチーム」……という大笑いで大団円、のオチ。
お酒を飲みながら最後の夜のおしゃべりを楽しむ人々。私たちにもいろんな人が声をかけてくれる。カンカンがぐずるまで、会話はできないけど皆の話にひたすら耳を傾ける。英語圏じゃない人々の英語は、国によって訛り?発音?が違っていてそれも面白かった。
色んな意味で酔い…もとい良い経験ができた船旅。