いつもは日本のニュースの見出しに「NZ」
を見つけると心躍るのに、今はなるべく見たくない気持ちになります。
オーストラリア人テロリストによる、
クライストチャーチのモスク襲撃から1週間が経とうとしていて、
ようやくこのことについて書こうかなという気持ちになりました。
それくらい、イスラム教徒でもなければ、クライストチャーチから
離れたオークランドに住む私にとってもショックの大きい事件でした。
当日になにが起きたかどうかについては、みなさんも嫌というほど
ニュースで見たと思うので、今日は触れません。
この国のジャシンダ・アーダーン首相が、
銃規制法に関してすばやいアクションを取った事、
ヒジャブを身にまとってイスラムコミュニティに出向いたこと、
その他にもトランプ大統領への対応や、犯人への強いメッセージ
など、世界に誇れる数々の対応も、もしかしたら日本で話題に
話題になったかもしれません。
その中で私からどういうことを発信できるか、考えたときに、
「私の周りのキウイたちのリアルな反応」を残しておこうと思いました。
今回のことには、移民である私たちよりもずっと、
地元キウイの人々の方がショックを受けていた印象です。
(もちろんイスラム教徒の方々のショックは想像を絶するものでしょう)
「私たちの安全な国では、こんなこと起きていいはずがない」
「私たちはダイバーシティ(多様性)を認め、最大限に生かす国だ」
「私たちは宗教や人種や文化の違いを受け入れる国だ」
こんな意見がSNSだけでなく、実際周りのキウイたちの口から聞かれました。
そして、これらはきれいごとに聞こえますが、移民としてやってきて、
数々の留学生のお世話を通して私が見て来た、キウイの本当の姿です。
私は日本で生まれ、子ども時代の大半を日本で生活して、
だから自分のホームは日本だと思っています。
そんな私でも、NZは来てすぐのときから「ここも私のホームだ」と
思うような、「受け入れてもらえてる感」「尊重してもらえてる感」
をくれ、「自分と違う人々に出会うことの幸せ」も知った国でした。
そんな空気が流れる国で、日本と同じくらい治安の良い国での、
「NZ史上最高に暗い日のひとつ(One of the darkest days of New Zealand)」。
その後は全国で何ミリオン(何億)もの募金があっという間に集まり、
イスラム教徒たちへの「私たちはあなたたちを歓迎しています」という
メッセージが溢れ、最前線で奮闘した警察官、救急隊員、モスクにいた人々、
病院スタッフを讃える言葉、いくつものNZ大手企業は残虐映像をライブで流した
Facebookからスポンサー撤退する発表をし、ギャングのメンバーたちはモスクの
礼拝日に警備をする申し出をし、全国各地で弔いの集会が開催されています。
ジャシンダ・アーダーン首相を筆頭に、宗教も人種も(ギャングも)関係なく、
一般市民一人一人が「あなたたちを守りますよ」というメッセージを声高に
挙げるこの国が、周りのキウイの友人だちが、本当に心強い。
クライストチャーチで被害にあった方々のご冥福を、心よりお祈りいたします。
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