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7月28日(ブルームバーグ):JTは28日、スーダンと南スーダンで事業を展開するたばこ会社2社を買収すると発表した。アフリカで新たな市場を開拓し、新興国でのシェア拡大を目指す。
親会社のハガー・ホールディングなどから、両国でそれぞれ展開しているハガー・シガレット・アンド・タバコ・ファクトリー・リミテッド(HCTF)社の全発行済み株式を取得する。買収額は約4億5000万ドル(約350億円)で、11月ごろに手続きを完了する見込みだ。JTによればスーダンのたばこ市場規模は約55億本で年率市場成長率は8%、HCTFの市場シェアは82%という。
佐伯明常務は記者会見で、買収の意義について「アフリカは非常に元気があり伸びている市場で、人口の多いスーダンに足がかりを築けたことに意味がある」と話した。JTは、タンザニア、南アフリカ共和国に生産拠点をもっているが、スーダン市場は未開拓としている。買収にいたった経緯については明言を避けた。
20年に及ぶ内戦を経てスーダンと南スーダンは今月10日に分離したばかりだ。油田地帯には中国、マレーシア、インドの企業が進出している。アフリカ進出で他国の後塵を拝しているといわれる日本も、潜在成長率の高いサブサハラ地域への接近を試みていて、JTの買収はこうした流れを加速化させるものだ。
ジャパン・インベストの大和樹彦アナリストは、買収について「足元の業績への影響は軽微だが海外でとれるところはとっていくといいう姿勢を示すことで10年先を見込んだ投資と評価できる」と話した。
JTの木村宏社長は24日付の日経ヴェリタスで企業買収について「大型の案件は出物がない。ただ中規模以下の買収案件は、その市場での我々のシェアが小さければ問題なしにできる」と述べていた。
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