「夫や夫の会社のおかげで海外に住むことができて、恵まれた環境にいるので、
今私が悩んでいることは、贅沢な悩みだと思うんですけれど・・・。」
あるいは、
「駐在生活で悩んでいることを、日本の友人に話をしたら、
”それは贅沢な悩みだよね”と言われてしまって・・・。」
「贅沢な悩み」
たくさんの駐在妻の方との出会いを通して、
私は本当にこの言葉を何百回、何千回と聞いてきました。
夫の海外赴任に帯同して、
海外暮らしをしている「恵まれた」自分なのだから、悩むことは贅沢だ。
悩むなんて、許されないんだ。
悩む私は、弱い人間なんだ。
そう思っている駐在妻の方たちがいらっしゃいます。
でも。
そもそも悩みに、
贅沢も質素も、適切も不適切もあるのでしょうか?
悩んでいることがなんであれ、その内容が、
悩んでいる人を落ち込ませ、
イライラさせ、
どうしようもないほどネガティブな気分にさせているのであれば、
その悩みは立派な悩みなんです。
その気持ちを理解せずに、その人の悩んでいることを、
自分の物差しで、
「贅沢だ。」
と判断し、否定する権利は誰にもないんです。
抱える悩みの内容は、人によって違います。
その人の環境や、性格、置かれている状況や、人間関係等の要素によって、
百人いれば、百通りの悩みが存在するんです。
だから、駐在妻のあなたが、
キャリアや人間関係や駐在国の文化の違いになじめず、
毎日そのことを考えて、落ち込んで、どうしていいかわからず泣きたくなることがあるとしたら、
それはあなたにとって、立派な悩みなんです。
贅沢な悩みじゃないんです。
もし、あなたの周りで、悩んでいるあなたに対し、
「それは贅沢な悩みなのよ」
という人がいたとしたら、
残念ながら、あなたは悩みを相談する人物を間違えています。
繰り返しますが、
人の悩みを「贅沢だ」といって切り捨てる権利は、誰にもないんです。
もし誰かが、
「贅沢な悩みよ」と、あなたに言ったなら、
その発言は、
あなたをうらやむ気持ちから発せられている言葉であるということを、
おぼえておいてください。
私は、人をうらやむことは、人間として当たり前の感情だと思うので、
その気持ちは否定しないし、その気持ちを無理やりなくす必要はないと思います。
でも、うらやましい気持ちを通りこして、
悩んでいる人自身を責めたり、否定したりするのは、
まったくのお門違いであると思います。
だから、今、
どこかの国で、悩んでいる駐在妻の方がいらっしゃるとしたら、
その悩みを、
「贅沢な悩みだ」
「こんなに恵まれているのに、悩むなんておかしい」
と言って、自分自身を否定するようなことは、絶対にしないでほしいのです。
どんな内容であっても、あなたが真剣に悩んでいるのであれば、
その悩みは、あなたにとって、立派な悩みなんです。
あなたは贅沢な人間なんかじゃありません。
弱い人間なんかじゃありません。
海外で、一生懸命頑張っている、とても魅力あふれる女性なんです。
そのことだけは、どうぞどうぞ、おぼえておいてください。
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