南国新聞の連載分を、約1週間後にこのブログにも書いています。紙面の
都合で制限された写真も少し増やし、付け加えたこともあります。
今回で連載は一応終わります。長文の為、分割記事になりましたが
長くお付き合いを有難うございました。
===== [第13回]==(最終回)==キナバル登山振り返って==
~身体のきしみと心の高揚に包まれ体験しました~
あの有名なキナバル山に老体にむち打ち挑戦! !
・・・・登る早々、こんなかわいい花が出迎え、応援してくれたっけ。
最初は、こんな感じで進む。
何とも言いようのない静けさと時間の経過を感じる。
枯れ木の・・怪物も出てくるし・・・・・・・
・・・やがて、中腹で、”ここは危険だから心して登れ” の表示。
今思うと、こういう急坂を延々と登る+登る+登る・・ココのぼるの。
ガレキ的な岩だけじゃなく、こういう1枚岸壁もあって、面白い。
ただし、帰り道、雨に遭遇・・これは恐怖の坂道に変身した。滑る!!
行きも帰りも、同じ光景が広がる。 山はドッシリと重く雄大だ。
キナバル登山が終わって、KKの宿泊所の下のモーニングマーケットへ。
そして、マレーシア人家族達とアイランドホッピングへ。(前出ですが)
そして、近辺の「マヌカン島」と「サピ島」へBQQツアーに出かけた。
・・・さてここで、
<<最終回で番外編、普通の人があまり経験出来ない事?を体験>>
ウチの奥さんが、過度の筋肉痛の為、やむなくガイドさんの背中に
おぶってもらって下山したという事がありました。夜のジャングルの
下山の途中道。歩くのが遅い私達4人グループで、ウチの奥さんは
足が痛くて歩くのがやっと。
(4人のパーティで、男ワタクシ1人、あとの3人は女性だった)
・・・・どうしよう・・これ以上、皆に迷惑かけたくない?・・の時。
前のグループと、かなり離れている。雨が降って来た。しかも強い。
ジャングル下山、歩行中、遅れて夕方18時近い。後15分で真っ暗に
なるのは、もう確実。このままでは危険。岩も道も濡れて滑りやすい。
前が見えないから滑落の危険性もあり得る、そんなことが頭をよぎる。
(実際、夜の山道は、足元が見えなくって危ないなんてもんじゃない)
かなり我慢して歩いた後、前が見えなくなってきた。ここでマレーシア
友人が提案してくれた。・・いっそ、ガイドさんに奥さんをおぶって
もらって、下りてはどうかと言うのだ。・・・へ~・・そんな方法が
あるのかと、考えもしなかった。最初躊躇したが、有り難く受け入れる。
皆に迷惑なることは、これ以上避けたかった。もちろん有料で、1km
の距離当たり背中のおんぶ賃、350リンギを払って頼むことにした。
最初400と言われた。友人が交渉した。日本でこんなことあるのかな。
OKが出て若いガイドさんが名乗り出た。髪をてっぺんでキツクしばり、
自分のザックを前に抱え、そこにウチの奥さんの足を入れさせ、手は
首の前に持ってこさせ、首を絞めず、軽くかけるようにさせて、自分
のペットボトル水を、グビグビと、一回飲んで、「よっしゃ」ってな
感じでおぶった。
・・彼は26歳位?ワタクシは、奥さんのザックを受け取り、自分とで
2人分の約12kg分担ぐ羽目になった。
奥さんの体重は60kg、最近太り気味?彼のザックは多分・・約4kg。
合計64kgをヒョイと担ぎ、足元のヘッドライト一つ頼りにあの暗闇の
中に消えてゆく。
しかもタッタタッタと足取りもしっかりしていた。雨降っても、合羽も
無し傘も無し逆にその方が安全なの?。・・お金には代えられない一つ
の危険心配が回避出来た。自分では背負えない為、有り難い一心だった。
64kgの、”煮豚ザック”を、暗い雨の中、走るように歩けるなんて彼等は
やはりただもんじゃない。日本にも「強力=ごうりき」が存在するけど、
基本的に人間は運ばないはず。走ることもしない。これが山岳マラソンを
やるマレーシアとの違いかな。
<私達、1時間半かかって降りた道を、なんと10分で行くとは>
彼のヘッドライトの灯りは小さく自分の足元だけだったらしい。普通の
スニーカーであの雨の中を、滑るはずの土と石の上をスイスイと走って
下って行ったらしい。
後で聞いたら、休憩らしきもなく、我々が濡れた危険な山道で1時間半
かけて降りた道を10分で下ったらしい。 私達は同じ道を辿ったのに暗闇
で何度も滑った。雨が降っているし、岩には苔が生えているんだから。
ガイドさんの凄い底力を見た思いだった。ポーターもやれるし、ガイドも
やる。”宅配”もやる!あの場合、とにかく、もう感謝以外何物もなかった。
<< また機会あらば、挑戦したい >>
(ラバンラタ・レストハウスまで登った人でも白黒の3272.7ⅿの
記録証書がもらえる。私達のグループの内2人は、山頂にトライする
ことなく、ここレストハウスに留まったため、この証書になった)
あ~ぁ、キナバル山。また機会あらば、頂上まで挑戦したい。登山の
過程において感じた若い時の思い出、そして心の痛みと身体の痛みは
忘れがたい。
今までの自分の生ぬるい人生をあざ笑うかのように、その想い、道中、
押し寄せては、また引いてゆく。マレーシアでのんびり暮らしている
はずの MM2Hの私・・・今はそんなに気を張らなくってもいいのに、
・・・過去の忙しかった人生が思い返されてゆく。
・・・・・・山では、過去の事も未来の事も、心に押し寄せるものが。
クアラルンプール近郊のトレッキングでは全く味わえない”人生の中の
大きな出来事=キナバル登山”だった。マレーシア国内と言えど飛行機
使って、4000m級の山登りに行ったのですから。
(これは、登頂した人の登頂成功登山証明書。10か国でおめでとうが
書いてあるのがまたいいね「英語」の次に「日本語」ってのが嬉しいね)
(これは登頂出来なかった3668ⅿまでの人。・・私達の事だが・・)
(と同時に、同じ3668ⅿなのに、カラーの証書もくれた。合計2枚。
一応、朝5時過ぎまでにはチェックポイントに着いたわけですから、
”特別残念賞”なのでしょう。証書は有料。申し込み必要。一生残る
記念品だから申し込むべきですね)
<山登りを通じて、感じさせてくれる人生>
キナバル山は、自分の海外生活の中で、不安と喜びの交錯する毎日の生活に
励ましと潤いを、覚醒させてくれた不思議な山だ。・・・・
過去の事、未来の事、いろんなことが脳裏をよぎってゆく。山登りを通じて、
「生」を感じ、今生きていること、生かされていること、これを思う想い。
・・・キナバル山が、ますます好きになってゆく。
最後に “ 人生は登山 ” 吉川英治のこの言葉が好きだ。
「登山の目標は「山頂」と決まっている。しかし、人生の面白さは
その山頂にはなく、かえって逆境の、山の中腹にある」
・・・・キナバル登山記・・最終回でした・・・Tq (了)
<<< 14回に及び、読んで下さった皆様には感謝です。>>>
有難うございます励みになってますお手数ですけどポチクリを嬉しいです。
参考までに:他の方々の面白ブログ拝見はこの上下から。動画紹介専門ブログも。