前回の記事 で書いた silly bandz (シリーバンド・型つき輪ゴム)。
一体 いつから流行が始まったのか 興味があったので
子どもたちの流行りモノに詳しい、地元のおもちゃ屋さんに
話を聞いてみた。
この店によると
silly bandz は かわいいし 値段も手ごろだし、
ちょっとしたギフトや 誕生会のおみやげグッズにいいかなと、
１年ぐらい前から 販売を始めたそうだ。
ところが、当初は 誰も見向きせず まったく売れなかったという。
在庫をなんとか減らそうと 景品にして
タダで 配っていた時期もあったそうだ。
ところが なぜかわからないけど ２カ月ほど前から、
突然 爆発的に売れるようになったという。
以来、１週間で１０００袋のペースで売れているというのだから
空前のブームとは まさに この事だろう。
なぜ 以前からあった商品が 突然流行り出したのか？
しかも この商品、もともと 日本で考え出された商品だと言う。
今回は シリーバンドが どうして アメリカで大ブームになったか、
そして 「日本で泣いている人」が 誰なのか、その秘密に迫ってみたい。
輪ゴムは手首にはめるでしょう
輪ゴムとは なぜか 手首に はめたくなるものらしい。
うちの夫の手を見ると 別に 八百屋でもないのに
よく輪ゴムがついていることがある。
落ちているのを見つけると とりあえず 身につけてしまうらしい。
昔は 輪ゴムを手首に常備している オバチャンも けっこういた。
困った時に するすると 手首から輪ゴムが出てくる様子は
まるで 手品のようだった。
もちろん 生活感あふれるとか 貧乏くさいというイメージもあったけど。
だから わたしは 夫の手首に輪ゴムを見つけると 激怒する。
「やめてよ！！」
そして 必ず はずさせる。
特に男性がしていると みっともないというイメージがあったのだ。
一方 アメリカ人で 腕に輪ゴムをはめている人は見た事ない。
そんなもの 拾っても アメリカ人なら すぐ捨てる。
わざわざ とっておこうという発想は 絶対にない。
だから 国民の「手首輪ゴム」への偏見も なかったのだろう。
シリーバンドを見た時に 遊び感覚で ちょっと腕にはめてみようと
思った子どもが ある時 ある場所に いたのだと思う。
それも 袋に入っている数十本の輪ゴム 全部を！
それを見た子は 叫んだはずだ。
”COOOO～～～L(かっこいい！)”
そして 大人も思った。「へぇ～ かわいいじゃない？」
彼らには 大阪のおばちゃんの手首の映像ではなく
かつてマドンナが巻き起こした
ゴムブレスレットの残像が見えたのかもしれない。
この瞬間 輪ゴムは 文房具から アクセサリーへと 変化した。
シリーバンドの広告は もはや 個々の輪ゴムの「形」ではない。
手首にわんさか巻き付けた状態こそが 「シリーバンド」なのだ。
普通の輪ゴムだったら 大阪の生活感あふれるオバちゃんだが、
カラフルで しかも 手首から外すと かわいらしい形が現れる。
いろんな色を合わせてグラデーションにすれば 洋服も引き立つ。
大阪のオバハンじゃなくて マドンナ。
男の子も女の子も たくさん買って 身につけたいと思わせたのは
アメリカ人ならではの発想であり、
この商品にとって 大きなブレイクポイントとなったのだろう。
（つづく）
へぇ～ ふぅん、ほぉ～と言ったアナタは
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