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帰国準備(1) 帰国を打ち明けるタイミング

 
 
去年の今頃だったと思う。
私たちの 帰国が決まった。
 
 
 
赴任した時 任期は3、4年と言われていたので 
ちょうど3年で帰国するのは ある意味 予定通りとも言えるのだが 
夫の会社の場合 直前まで 人事情報が確定しないので 
「そろそろ帰国かもしれない」、という噂はあったものの、
まだ はっきりと言える状態じゃない期間が 長かった。
 
 
 
それにしても 帰国を周囲に告げるタイミングは 難しい。
 
 
 
さんざんお別れして いざ 異動が発表されてみると 
やっぱり残ることになりました、では済まされない。
やはり 人事的に帰国が確定し いつ帰るのか 公式に決まるまでは 
その一言は 言いたくないではないか。
 
 
 
 
ところが 中には 特報記者並みに 他人の帰国に関して 
情報網を 張り巡らせている人がいて (だいたい永住日本人) 
本人がまだ 周囲に打ち明ける前から 勝手に 
「 どうも @@さんは 帰国が近いらしい 」という噂を流す人がいる。
 
 
 
 
 
アメリカでは 冬の間に 夏のキャンプの申し込みや 
春に 秋の習い事の申し込みの受付を 始めたりするので 
態度を保留していると 「 すわ 帰国では! 」と 
まるで 芸能人の交際を嗅ぎ付ける梨本さんのように 
本人の様子を傍から観察し 帰国速報を 流してしまう。
 
 
 
 
 
おいおい。
こっちもわからないから 申請を保留しているんだっつーの。
 
 
 
 
 
自分が打ち明ける前から 久々に会った友人に
「 帰国が決まったんだって!? 」と言われることほど 
ムカつくことはない。
一体 誰が言ったんだ? 本人に言わせろよっ!
しかも まだ 確定していないのに 勝手に噂を流して 最後に どんでん返しがあったら どーしてくれんだっ!?
 
 
 
みなさん、帰国情報は 本人が言わない限り 勝手に流すのはやめましょうね。 
その人なりの都合や それぞれの会社ならではの事情があるんですから。
 
 
 
 
しかし 帰国が確定してからも
子供に言うタイミングについては 悩んだ。
 
 
 
あんまり前すぎても 子供たちは持ちこたえられないだろうし 
引越し直前と言うわけにもいかない。
彼らにも 友人たちとのお別れの儀式をする時間が 必要だろう。
 
 
 
アメリカに馴染みすぎるぐらい馴染み 
ほとんど日常会話が 英語になってしまっていたわが子たちだったので 
帰国を告げるのは 本当につらかった。
 
 
 
駐妻の中には それが嫌で 帰国の前日まで子供に打ち明けず 
泣こうがわめこうが 翌日には日本行の飛行機の中、という
強硬手段を とった人もいた。
 
 
また アメリカ生活が嫌で嫌で仕方がなかったので
最後は 特に誰に別れを告げることもなく
学校最後の日に そのまますぐに空港に向かい
まるで 夜逃げのように 帰って行った人もいた。
 
 
我が家の場合は そんなことはできそうになかったが 
どんな状況で 打ち明けるかについては 夫婦で 頭を抱えた。
 
 
 
そして うちの夫はここで 奇抜なアイデアを 考えつく。
 
 
 
 
日本は 自分たちの国なんだから 帰国するのは いいことで 楽しいことだという印象を 子供たちに持たせたい。( それは 私も賛成 ) 
なるべく 悲しいニュースのように 打ち明けたくないよね。(そりゃ そうだ) 
だから 旅行中の 最高に楽しかった日の夜に 打ち明けて、(えっ!?)次の日も 旅行で楽しいから その楽しさで 悲しさを紛らわしてやろう。
( うーん、 わかったような わからないような・・・)
 
 
 
とにかく 三連休に 旅行に行く予定があったので 
その旅先で 子供たちには 伝えることに決まった。
 
 
 
 
子供たちの反応は あっさりしたものだった。
夫が 「 でも 昔住んでいた お家に帰れるし 
おじいちゃんや おばあちゃんにも会えるし 
おいしいご飯も食べれるし お友達にも会えるよ~! 」と 
とってつけたように 明るくしていると 
子供たちも 「そうだね。おばあちゃんたちに 会いたいよね」と 笑っていた。
 
 
 
しかし 私は そんなことで 子供たちの気持ちがおさまるわけないのを 知っていた。 なんたって 私自身 何度も こうした国際引越しの別れを 経験しているのだ。
 
 
 
確かに 旅行中 子供たちが 落ち込むことはなかった。
しかし しばらくして 学校が年度末に近づき、みんなが夏休みや 来年度について 話し始めた頃 それは 突然 やってきた。
 
 
 
一体 その瞬間 家で何をしていたのかも 思い出せない。
 
 
 
普段通りの 夜のひと時。
 
 
 
急に 私と子供たちの間に 
もうアメリカとは お別れだという実感が わいてきた。
 
 
 
 
娘が 次の学年の クラブの申し込みの話をしていたのかもしれない。
来週の予定を 話してしていたのかもしれない。
夏休み中に開かれる お友達の誕生会の話を していたのかもしれない。
 
 
 
 
3人の胸に 一瞬のうちに とてつもない悲しみが 広がった。
そして 次の瞬間 子供たちは 「日本に帰りたくない!」と号泣しながら 私に 抱き着いていた。 私も 号泣だった。
 
 
 
それから 3人で 熊の親子のように 吠えたてながら 大声で泣いた。
楽しかった思い出や 仲良かった アメリカ人のお友達の顔が 浮かんでは消えた。
さんざん泣いたら 疲れて ちょっと現実に戻ることができた。
 
 
 
悲しいけど やっぱり私たちは 日本人。
帰る準備をしなければならない。
 
 
 
残りの時間は少ないけれど 悔いのないように 
最後の瞬間まで いっぱいの 楽しい思い出を作りたい。
 
 
 
 
たくさん プレイデートしようね。
スリープオーバーも しようね。
@@とは まだ プレイデートしてなかったから やろうね。
**に お土産買いに行こうね。
そうだ おばあちゃんへの お土産はどうしようか。
最後の日は 何する?
何か まだ やり残したこと あるかな?
 
 
 
 
話しているうちに 
だんだん 帰国に対して 前向きに考えられるようになり
3人で 最後の最後まで 力を合わせて やり残したことをやりつくそうと話し合った。
 
 
 
 
 
この時点で 帰国まで 約3週間。
 
 
  
こうして 私たちは涙をぬぐい 最後の日に向けて 走り始めたのだった。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
1年たって やっと書けるようになりました。
 
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