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駐妻テニス部の本気度
アメリカでは 歩く機会がなく 車を運転してばかりなので
多くの駐妻が 何らかの運動をはじめる。
なかでも 最も人気なのが テニスだ。
NYでは 日本人のテニスコーチが いたるところにいるし、
スクールもある。 試合で腕を鳴らしたければ
日本人駐妻のテニスサークルがあるし、
日本人だけが参加する 大きなテニス大会もある。
町には 屋外テニスコートがそこら中にあり
インドアのコートも 取りやすい。
ラケットやボールも安く、
テニスウエアは カラフルで可愛いものが たくさんある。
日本よりも はるかに気軽に テニスができる 環境だ。
なかでも 学生時代にテニスをやった経験があり 試合に参加できるレベルの人は とても 歓迎される。 大人のテニスは 基本 ダブルスなので
「 一緒にやりませんか~ 」と すぐに誘ってもらえるだろう。
ちょうど 現地校での 限られた日本人との付き合いに 息苦しくなってきていた頃だ。 普段は 特に やることもないし 運動不足も 気になる。
子どもの話題以外で 盛り上がれる仲間ができるのは うれしい。
こうして 多くの駐妻が 再びラケットを手にする。
WELCOME TO "駐妻テニス部"
しかし そこは 恐怖のテニス「アリ地獄」であることを
あなたは まだ 知らない。
**********************************
若かりし頃 女子大のサークルでテニスをやっていた 綾子さん(仮名)。
学生時代は 毎日のように 仲間とコートを走り回っていたが 卒業以来 さっぱりテニスをする機会は なくなってしまった。 当時のラケットは 今も 手元にある。 ガットはボロボロで使える代物ではなかったが 今回の引越し荷物に 一応 入れてきた。 どこかで アメリカ人と テニスをする機会があればと 期待していたのもある。
アメリカに来て しばらくすると 近所に テニスコートがあることに 気が付いた。 天気の良い日には 多くの人がテニスを楽しんでいる。 日本人の姿も見えた。
「 私も 久々に やってみようかしら・・・ 」
そんなある日 駐妻仲間から テニスパーティーに参加しないかと誘われた。
テニスパーティー?
それは NY近郊に住むテニス仲間が クラブを貸切り 30分毎に相手を変えながら ダブルスの試合をしまくるという イベントだ。
しばらくやっていないので お相手になるかどうか・・・
そんなに 上手ではないし・・・・
尻込みする綾子さんだったが
「 人数が多いほど 面白くなるし いろんな人と知り合いになれるよ。 とにかく来てみて! 経験があるなら大丈夫! 」と
背中を押され 行ってみることにした。
パーティーは すごく楽しかった。
どこに これだけの日本人がいるの?というぐらい 多くの人が集まってきて しかも 全員 テニスが ’超’上手い。
現役時代のように 体が動かないのがもどかしかったが 久々に決めたスマッシュに 綾子さんの中で 閃光が走った。
「 これよ、これ! 私が求めていたものはっ!! 」
英会話はやっている。しかし 一向に上達しない。
趣味というより 生活に必要だから しぶしぶ続けている。
パッチワークでもやろうかと思ったが そんなに 手芸が 好きなわけでもない。 日中 やることがないので 最近は 日本のビデオばかり 見ていた。 何か 夢中になれることを やりたいと ずっと思っていた。
「 やっぱり また テニスをやろう 」
この日を境に 綾子さんのアメリカ生活は 激変する。
朝起きたら まず 身に着けるのは ジャージ。
子どもを学校に送ると すぐに 午前の ひと試合。
昼は テニス仲間と軽くカフェで済ませて 午後は また別の場所でテニス。 さんざんコートを走り回った後 夕方 子供を 大慌てで学校に迎えに行き 軽く夕食をすませ、 「宿題をして!」と 子供にはっぱをかけた後、 夜8時、 また テニスに出かける。
寝ても 起きても テニス テニス テニス。
テニス仲間とは 一緒にランチをしたり 旅行にもいく。
といっても 旅先では ホテルにあるテニスコートで 一日中テニスをする「合宿」なのだが。
若いころやっていたので 綾子さんが 勘を取り戻すのは 早かった。
そうすると もっと テニスを やりたくなる。
いろんな相手と試合をしたくて チームにも入った。
トーナメント方式でいろんな相手と戦い シーズンで勝ち抜いていく。
試合で勝つ喜びは また 格別だ。 日ごろのイライラもふっとぶ。
いつもは 英語で負けているアメリカ人を テニスで負かす この爽快感!
もっと強くなりたい。 もっとうまくなりたい。
綾子さんは ますます テニスにのめり込んだ。
ヒマさえあれば 家の中でも 縄跳びをし 料理を煮込んでいる間に ダンベルを 持ち上げた。 雨の日は ガレージで 素振り。 一日でもプレイできない日があると カンが鈍るのを恐れ 車の中にラケットを持ち込んで 信号で止まるたびに グリップを握って 感触を確かめた。
テニスを始めて アメリカ人とも試合をするようになり 友人が増えた。
ダブルスを組む相手は 日本人だが 24時間一緒にいるような気分で 学生時代の親友のように 何でも話した。
それまで 日中は 何をしようかと悶々とし 外に出れば 英語が怖くて 行き先も限られていたのが テニスを始めてから 一気に アメリカ生活が楽しくなったと 綾子さんは言う。
実際 はた目から見ても 綾子さんの変化は 一目瞭然だった。
色白で 少しぽっちゃり体型。
スカートなど 割と きっちりした格好を していたのが
日焼けして まるで メキシコ人のように浅黒くなり
いつみても ジャージ姿でいるようになった。
朝 テニスコートで 綾子さんを見かけたと思ったら
これから あっちなの、と あわただしく 次のテニス会場に向かう。
人数が足りないと言えば 綾子さんは どこでも 飛んでいったし
時には コーチにプライベートレッスンを受けて 技術の向上にも励んでいたようだ。
そのうち ファーストフードや スタバで 夜遅く 子供たちにサンドイッチを食べさせている綾子さんを 見かけるようになった。 もちろん ジャージ姿。
ぽっちゃりした体型は 引き締まったものの 髪はバサバサで ノーメーク。 顔にはいつしか シミが 目立つようになっていた。
同じころ 綾子さんに関する 不穏な噂が 飛び交うようになった。
夜もテニスで出かけてばかりで 子供たちだけで 留守番させているらしい、とか、
靴が破れているのに ママが全然新しいのを買ってくれないと 子供が こぼしているとか、
学校の行事や ボランティアにも ほとんど来なくなっただけでなく、
参観日すら 試合があるからと 行かなかったらしいとか・・・。
それだけではない。
どうやら 綾子さんのご主人が
若い日本人の女の子と 浮気しているという。
テニスに夢中になり 家庭生活に影がさすようになったのか
もともと家庭内で問題があった所に テニスを再開して
その現実から逃れるために テニスにのめり込んだのか、
それは 誰にもわからない。
しかし 綾子さんのテニスは 主婦の趣味のレベルを超えていたし、
あれだけ ジャージで 一日中 テニスに走り回っていたら
買い物や 日常の雑用をするヒマはないであろうことは 容易に想像できた。
もちろん 駐妻の中でも 趣味の範囲で テニスを楽しんでいる人はたくさんいる。 綾子さんも 最初は 週に1,2回 体を動かせればいいと 思っていたそうだ。
しかし 海外では いくらNYで テニス人口が多いといっても その数は限られている。
ダブルスは 麻雀のように 4人そろわないと ゲームにならない。
足りないから来て、と 言われているうちに みるみる テニスをする日が 週に2日から 3日、4日、5日・・・と増えていく。
結局 どこに行っても 同じようなメンバーなのだが テニスをしている間は 無駄なおしゃべりをする必要もない。 英語も日本語も関係ないし 自分がアメリカに暮らしていることも忘れ ただ ボールを追いかけることだけに集中していられる。
そして いつしか コートの中だけが 自分が安心していられる場所になる。
テニスをしていないと やることがない。
毎日 テニスをしていないと 落ち着かなくなる。
もはや テニス依存症ともいえる状態。
日本では 子育て最中の主婦が ここまでのめり込もうと思っても なかなか できるものではないが アメリカでは 知らず知らずのうちに そうなってしまうところが 怖い。
狭い駐妻の人間関係にがんじがらめになり 「3人しかいないのよ」と言われれば なかなか断れず 深みにはまってしまうという側面もある。
また 永住やアメリカ人と結婚した日本人妻で 子育てがほとんど終わっているような人は 昼夜かまわずプレーしたがるので ついつい そのペースに巻き込まれてしまうのもある。
綾子さんのように 家庭生活にまで影響するのは 極端な例かもしれないが
気が付けば 毎日 テニスしかしていなかったという人は 多い。
NYでも 他の趣味で ここまでのめり込むことは できないが
テニスだと 結構 それが 可能になるところが 駐妻テニス部の特徴かもしれない。
それでも お酒やたばこや ギャンブルにのめり込むより よっぽど健康的じゃん、と思われるだろう。 確かに 不健康な趣味ではない。
しかし 何事も過ぎたるは及ばざるがごとし。
駐妻テニス部の奥様たちを見ていると 足を引きずっている人、手に アイスノンを巻き付けて テニス肘の痛みに耐えている人、 手が上がらない、腰がいたい、足が痛いと いつも 体調不良の話。 それは まるで 日本の整形外科の待合室に集う お年寄りたちの会話に そっくりなのだ。
高校生の部活並みのスケジュールをこなしているけど
それをやっている体は 間違いなく 中高年のソレですから・・・。
最後は だいたい 体を痛めて 引退するか、
同じようなメンツ相手に テニスをすることに疲れ切って やめるのだけど、
駐在期間の数年間だけなら そこまでの心配もない。
アメリカで 青春時代を取り戻すべく
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