久しぶりに日本語の論文を書いている.
自分の研究分野の現状と展望についてまとめた総説論文だ.
日本語の論文なら周辺分野の研究者にも読んで貰えるし,自分の宣伝にもなるという下心もあって,こちらに来てから書き始めた.
総説論文の定義は,投稿先の雑誌規定によると「ある分野の論文や学説などを総括,解説,あるいは紹介したもの,および***」とされている.
つまり,基本は公表されている論文の成果をまとめたものだ.ただ,これだけだと物足りないので,多少は新しい見解なども入れた方が良いのかなとも思う.しかし,未公表の成果や不明確な議論まではあまり含めたくない.
そして先日,投稿先の雑誌の編集部から,この総説論文の査読結果が帰ってきた.
基本的には好意的なコメントで,多くは細かな修正点の指摘だった.
ただ,コメントの一つで,現時点ではあまり理解が進んでいないので細かく触れなかった現象について,きちんと説明するべきであると指摘された.
仰るとおりなのだけど,既存の研究で理解されている範囲をちょっと超えてしまうので,総説論文として新たなデータを加えたり解釈をするべきなのかちょっと迷う.
もちろん,明確にしてほしいと指摘する気持ちも分かるのだけど.
実は,次に書くオリジナル論文用の未発表データを織り込むと,この要求に少しは応えることができるのだけれど,折角のデータを中途半端に公表することは避けたい.
という感じで返答を書いて,修正原稿を返した.
以上のようなブログ文章を書いていたら,昨日,編集部から
「まあ理解が進んでない部分はそのままで良いとしますよ,論文を受理します」
という感じの返事を貰った.こちらの状況を理解して頂けたようだ.良かった.
という訳で,博士号を取得して5年かかって漸く自分の研究分野をそれなりに総括した論文が書けた.
お世話になった多くの方々に深く感謝.有難うございました.
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