ブラジルでは、路上生活者など非常に貧しい人が多く、
彼らが通りで「施し」を求めて通行人に声をかける場面に、日常的に遭遇します。
少し前のことになりますが、あるカフェでのこと。
たまたますぐそばで、一人の路上生活者(と見受けられる男性)が通行人の若い女性から
善意のお金を受け取りました。
すると弾み(!?)がついたのか、彼はカフェのテラス席のゲストたちにもお願いをして周り始めました。
最初の女性の影響があったのかもしれませんが、ほぼ全員が応え、彼は喜んでその場を去りました
しばらく後、今度は別の路上生活者(かなり汚れた身なりで、臭い、目つき・挙動も不審)がやってきて、
先ほどの光景をどこかで見ていたのか、同じようにカフェの席を周りはじめました。
でも、彼の異常な様子のため最初の席の方たちが拒否反応を示したところ、
彼はその中のご年配の女性に手を挙げ(肩のあたりを叩いたか突き飛ばし)ました。
さらに逆上した彼は、隣の席のにいた方たちにも悪態をつき、テーブルに置いてあったお水のペットボトルを奪い、
口に含ませ吐き出したり、ボトルを道路に投げつけ何かを叫びながら、
それでも諦めたらしくその場を離れて行きました。
恐らく、お酒(もしくは薬)などで病んでいると見られる奇行でした。
*それでも、コーヒーカップなど割れものではなくペットボトルを選び、それを誰もいない車道に向かって投げたあたりには、多少の分別が残っていたのかもしれません。
大きな事件にならなくてよかったと思いますが、しばらくの間その場は凍りつきました。
*叩かれた女性は本当にお気の毒でした。
一人目の路上生活者にお金を渡した若い女性も、その時にカフェにいた方々も、
後にこんなことが起こるなど想像もしていなかったと思います。
でも、
その場で少しのお金を差し出すことは、必ずしも相手を助けることにはならないし、
善意のはずが、危険を生むことも。
お酒や薬を助長することになれば、もっと大きな危険につながります。
こちらでも、平素よりそういった観点から、
「施しは、お金ではなく、必ず物で渡すこと!」と言われています。
*路上で実践するのは難しいですが。
二人の路上生活者が引き起こしたこの一件は、
この国の「施し」の日常と、その問題を同時に見せた出来事でした・・・。
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