マウント・クックを含む,NZサザンアルプスは,太平洋プレートとインド・オーストラリアプレートの衝突によって隆起している.そして,アルプス西端を北東ー南西に走るAlpine Faultというトランスフォーム断層が両プレートの境界だ.
横ずれが卓越するトランスフォーム断層でありながら,これほどの大規模な山脈が形成・維持されている原因は,意外に難しい問題らしい.そのうち勉強したい.
ちなみに,NZサザンアルプスは翡翠(ヒスイ)を産出し,古くからマオリの人々の装飾品として利用されてきた.ここで産出するヒスイは正確にはネフライト(nephrite)という鉱物で,宝石として価値のあるひすい輝石(Jadeite)とは別の鉱物.
ところで,このAlpine Faultは時々,マグニチュード7〜8程度の地震を起こしている.
最近では,2009年に南島の南端でマグニチュード7.8の地震が発生した.
この断層は,タイプとしてアメリカのサンアンドレアス断層やトルコのアナトリア断層に近いけれども,ユニークなのはサザンアルプスが隆起していることによって,断層岩が表層に露出していること,そして地震が通常よりも浅部で発生することだ.
現在,カンタベリー大学をはじめとするNZの多くの大学・研究機関の共同プロジェクトとして,Deep Fault Drilling Project - Alpine Fault(アルパイン断層掘削プロジェクト)が進められている.
http://drill.gns.cri.nz/nzcdp/dfdp/
僕自身は全く関わっていないけれど,所属研究室の学生さんが何人か参加しているらしく,ちょくちょく話を聞く.活きている断層岩を直接分析出来るなんて素晴らしいチャンスだ.
今後,どんな結果が出てくるか楽しみだ.
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