研究結果を論文として公表すると,原則的に用いたデータは世界中にオープンとなります.
つまり,基本的には誰でもデータにアクセスして,再解析したり出来る訳です.
ただ実際には,原則的どおりにいかない事があります.
つまり,データ請求しても無視したり,身内でしか回さない研究者・グループがあります.
まあ,気持ちは分からないでもありません.
実験データは公表したけど,もう少し解析したいとか,追加データが出る予定だとか.
僕にもそういう経験があって,
論文公表直後に海外の研究者からデータリクエストを貰いました.
だた,別の切り口での解析を検討していたこともあって,
「解析中だからデータを渡すのを少し待ってくれませんか」と返事を書きました.
そしたら,その直後にその彼の共同研究者であるデンマークの有名な先生から,
「こういうのは良い訓練だからキチンと公表しなさい」
と怒られてしまいました,メールですが.
確かに仰る通りです.
まあ今だったら当然ですが,まだ良く研究者ルールを理解してなかった訳です.
で,戦々恐々としながら急ぎ全てのデータを渡しました.
(まあ結果としては,あれから5年が経ちましたが僕はデータをまとめる事は出来ず,
また,彼からもそのデータを使った結果は出てきてません.)
話を戻しますと,
そういう厳しい研究者ルールですが,実際はデータを提供しない人がいるわけです.
個人的な経験と身近から聞く話で一般化は出来ませんが,小声で言いますと,
「データをくれない研究者というのは,フランス人に多い気がします」
まあ,アメリカ人にもいましたが,研究者人口を考えるとそうかなと.
先日訪ねていったオーストラリア国立大学(ANU)の共同研究者も,
「あるフランス人の研究者と20年も一緒に仕事しているのに,未だに生データはくれない」
と言っていました.
一方ドイツでは,地球科学系に限りますが,
論文に用いた全データはウェブ上で公表しないといけないというルールがあるそうです.
公表用サイトはPANGAEA(http://www.pangaea.de/)と呼ばれてます.
さすがドイツですね.
研究成果をキチンと公表すれば引用も増えるし,その分野の発展にもハズです.
ウェブに上げるのは大変でも,請求したらちゃんと提供して貰いたいものですね.
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