テアトロアルファ、今シーズンの最後は、アクラム・カーン(Akram Khan)の"DESH"(2011)。前回と違い、アクラム・カーン氏のソロを満喫できました。
ダンサー&振付家のアクラム・カーン氏、2012年のロンドンオリンピック開会式のダンスパートの振り付け・演出担当に抜擢され、自らも出演したことで、一気に世界的に有名になったようです。
そんな彼の、バングラデッシュ系イギリス人としてのルーツをたどる、80分インターバル無しのソロ作品がこちら「デッシュ」です。「Desh」は、ベンガル語で「母国」を意味する言葉だとか。
美術・映像演出は、映画「グリーン・デスティニー(Crouching Tiger, Hidden Dragon)」でアカデミー賞を受賞しているティム・イップ(Tim Yip)。
私が好きだったのは、ライトで描かれる、マングローブのジャングルの中を蜂の巣を求めてさまようバングラデッシュのお話に、アクラン・カーンが入り込んで、いつの間にか話の主人公と同化してしまっているシーンと、最後の天井から下がる白いシルクの中を彼が駆け巡るシーン。
テーマ自体も、移民2世の葛藤、両親の文化や国への距離、不理解、探求など、ブラジル生まれの娘を持つ私にとっては興味深い内容でした。
機会があれば、ぜひ。
ところで、検索していて発見しましたが、彼の妻は日本人なんだとか。いろいろな背景を持つ人たちが、違う場所で混ざっていくのですね。
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Akram Khan company at Teatro Alfa(2011)