アメリカに来てからしばらくの間、私は日系の食料店や
そこに入っている日系の書店の存在も知らなかった。
なので、日本へ里帰りする度に、小さなダンボール一箱ほどに
本や雑誌を詰め込み、アメリカへ持ち帰り
大事に大事に読んでいた。
私は重度の読書好きなのだ。
私は、今は時間的に余裕がないのだけれど
基本的に、読み出したら止まらないタイプ。
いくらセーブして読んでも、1、2ヶ月すると
ダンボール一箱といえど読み尽きてしまう。
そこで、読み終えてしまうと、気に入った本を何度も何度も読む。
中には、読むたびに印象の変わる本もあり
いまだに何年も前に買った本を引っ張り出してきて読むこともしょっちゅう。
そのうちに日本人の友人もできはじめ
日系の書店の存在も知るのだが、何せアメリカで買う
日本の本は高い!!
為替レートにもよるのだけれど、もともと送料や手数料で高い。
定価の2倍したりする。
こうなると、アメリカの書店での買いだめなどと問題外。
当時、シングルマザーだった私は、価格を見て
目が飛び出てて、そのままお店も飛び出た(笑)
当時(今もだけど)の私のお気に入りの著者は
パトリシア・コーンウェル。
検視官(Postmortem)でデビューした作家。
彼女の描く検視官のスカーペッタ・シリーズの翻訳本は
全部日本で買っていた。
そして、ある日、日系の書店へ友達に連れて行ってもらい
彼女の新刊(文庫本)が出ているのを見て
一瞬胸がときめいたが、何せ文庫本でも高い。
まあ500円程度のものが10ドルとか、その位だったと思うが
日本では、500円で買えるのに、と思うと
ちょっと手が出なかった。
帰ってから、ああ、やっぱり買っておけばよかった、と後悔したが
シカゴの店まで、ひとりでは運転できない
(今は何とかできるが、高速の運転がとくかく苦手だった)。
はあーー、とためいきをついたが、あ、と閃いた(大げさ)。
パトリシア・コーンウェルってどこの作家だっけ?アメリカ?イギリス?
アメリカが舞台なので、きっとアメリカ。
そこで、アメリカの書店へ言ってみると、あった、あった。
せっかくアメリカに住んでいて、アメリカの著者の原書が手に入るんだから
翻訳されていない、彼女が書いたままのものを読めばいいんじゃん!
と早速1冊買った。
家に帰り、ウキウキして読み始めたが、主役の検視官である
このスカーペッタは、弁護士であり医者でもあるので
そういった専門用語がバシバシ出てきて、なかなか読み進めやしない。
それでも、絶対この一冊読んでやる、と心に決めた。
そこで、小さい頃からの本の読み方をすることにした。
その読み方というのは、小学校の頃から本の虫だった私だけれど
ちょっと高学年向けの本になると、知らない漢字がいっぱい出てくる。
そうすると、すぐに辞書は引かず、文章の漢字や前後の単語などから
読み方や意味をじっくり考える。
大抵は、あ、あれだな、と思いつくのだが
そうではない場合のみ、辞書を引く。
この方法を、英語の本を読むのに使った。
知らない単語が出てきても、とりあえず読み、意味を想像する。
まあ、法律用語や医学用語なんて、ちんぷんかんぷんなので
実際、辞書は手放せなかったけど(笑)
しばらくたってアメリカの州立大学に通うようになり
どっぷり英語漬けの毎日になった。
もちろん教科書にも知らない単語は出てくる。
出てくるけれど、急いでいない限り辞書はなるべく使わず
この単語の意味は何だろう、を繰り返した。
これを4年間やったわけ。
その結果、大抵のものは辞書なしに読めるようになった。
(30歳過ぎだって人間は成長し、学ぶのね 笑)
以来、コーンウェルの本をはじめ、アメリカ人著者の本はすべて原書。
そう、別に日本語で書いてなくてもいいんじゃん、と悟ってからは
こちらの図書館で借りることも多くなり、本代もあまりかからなくなった。
最近ではNew York Timeのベストセラーの方が
アマゾンをチェックするより多くなったかもしれないなー。
でも、やっぱり村上春樹の英訳本は読む気になれません(笑)
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