有料会員となっていないため、WSJ(Wall Street Journal)のWebの記事は限定されたものしか読めません。しかし、最近、いくつか注目する記事が出てきました。
一つはフランシス・フクヤマの寄稿。ベルリンの壁が崩壊して冷戦が終結した25年前は既にはるか昔。中国やロシアなどを中心として権威主義が台頭し、またタイやトルコ、スリランカ、ニ カラグアなどでは民主主義が後退しています。一度はリベラルな民主主義と市場経済へ移行したかに思われましたが、この大規模なゆり戻しの中、今後世界の潮流はどう向かうのでしょうか。
けっこうボリュームがあり、まだ中国のところまでしか読んでいませんが、週末に読みたいと思います。
“ The problem in today's world isn't just that authoritarian powers are on the move but that many existing democracies aren't doing well either. ”
—Francis Fukuyama
もう一つは天安門の際の民主化運動の元リーダーの投稿記事。中国政府の徹底的な情報統制の中、事件を知る年配者は沈黙し、そして事件を知らない若者が増えてきました。しかし、著者はいいます、中国本土でも十分な数の人々がこの事件をけっして忘れてはいないと。
“In short, enough people remember, and those who do are the ones who really count.”
ともにセンシティブなテーマであり、いろいろな国の友人を持つ私は慎重に、双方、そして各方面の主張に耳を傾ける必要があります。しかし、とても読み応えのあるものでした。
幸いなことにオリジナルである英語の文章に対して、案の定(!)、和訳が出てきました。フランシス・フクヤマのものは週末をはさんだこともあって、翻訳の掲載まで約5日待ちましたが。
今回は記事の紹介に止めますが、次回、そしてその次はこの文章を使った私の翻訳練習を題材とします。
英語オリジナル25 Years After Tiananmen Square, Liberal Democracy Still StandsKaixi: The Power of Tiananmen's Memory日本語翻訳【寄稿】民主主義は今も「歴史の終わり」=フランシス・フクヤマ氏【オピニオン】天安門、その記憶が持つパワー